2003 Fiscal Year Annual Research Report
温帯草本被子植物の形態多様化過程と非多様化過程の比較による多様化機構解明の研究
Project/Area Number |
15405013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
遠藤 泰彦 茨城大学, 理学部, 助教授 (30250145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶田 忠 千葉大学, 理学部, 助教授 (80301117)
根本 智行 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (50228293)
北出 理 茨城大学, 理学部, 助手 (80302321)
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Keywords | 生物多様性 / 多様化機構 / 分類 / ハエドクソウ属 / ソラマメ属 / ハギ属 / 東アジア / 北米大陸 |
Research Abstract |
国内調査、米国および英国での海外調査、調査収集資料に関する解析と今後の解析の準備を行った。国内での調査は、ハエドクソウの国内における変異の実態の把握のための調査の一貫として、7月14日〜16日および7月29日に北海道函館市で行い、同種の形態変異を網羅するように、液浸標本・さく葉標本・DNA解析用試料を収集し、解析を行った。その結果、葉の形態・花期・花の形態の違いで2型が認められることを発見した。海外調査としては、8月2日〜20日、米国での調査を行い、ハーバード大学標本館とミズーリー植物園標本館においてハエドクソウ属、ミズヒキ属、ソラマメ属、ハギ属の北米大陸における分布と形態変異についで情報を収集した。この情報を元に、米国のマサチューセッツ州、ニューイングランド州、ニューハンプシャー州、ミズーリ州においてハエドクソウ属、ミズヒキ属の液浸標本・DNA解析用試料・さく葉標本を収集した。また、8月22日〜28日には英国Kew植物園標本館の調査を行い、研究対象とする植物群の東アジアにおける分布と変異について調査を行った。この結果、ハエドクソウの北米産種と東アジア産種では花糸の長さに違いがあること、メキシコでのソラマメ属の産地としてChifuafua州周辺が有望であること等が明らかとなった。なお、収集資料に基づく分子系統学的な解析としては、特にソラマメ属のrDNAのITS領域を用いた解析を行い、東アジア産種は単系統群になることを明らかにし、これらの種が東アジアで急速に分化したことを明らかにした。このことについては、結果発表のため現在論文を作成中である。
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