2004 Fiscal Year Annual Research Report
温帯草本被子植物の形態多様化過程と非多様化過程の比較による多様化機構解明の研究
Project/Area Number |
15405013
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
遠藤 泰彦 茨城大学, 理学部, 助教授 (30250145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北出 理 茨城大学, 理学部, 助教授 (80302321)
根本 智行 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (50228293)
梶田 忠 千葉大学, 理学部, 助教授 (80301117)
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Keywords | 生物多様性 / 多様化機構 / 分類 / ハエドクソウ属 / ソラマメ属 / ハギ属 / 東アジア / 北米大陸 |
Research Abstract |
本年度は前年度の調査対象種の分布地調査の結果を基にアメリカ合衆国およびメキシコ合衆国での調査および資料収集を行い、帰国後これらに関する解析を行った。 本年度の海外調査は平成17年7月20日から8月3日までアメリカ合衆国のワシントン州、ジョージア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州で行った。また、継続して、8月3日から8月14日までメキシコ合衆国のメヒコ州、オハカ州、グエレロ州、チワワ州で行った。本海外調査では、マメ科ソラマメ属を中心としハギ属等調査対象種について生殖器官の液浸標本・さく葉証拠標本・DNA解析用試料を収集し、帰国後解析を行った。また、国内においては昨年度採集し茨城大学の圃場にて栽培中のハエドクソウ属の生態観察を行った。 その結果、1)ハエドクソウ属の主軸に運動性がある型と無い型の2型を発見した。主軸にハエドクソウのような運動性を持つ植物はこれまで知られておらず、新たな形質の分化を見い出したことになる。2)ソラマメ属の東アジア産種と形態的な関連性のある北米産種との分子系統解析(rDNAのITS領域の比較による)を行い、その系統的な近縁性を見い出した。3)メキシコに固有で特殊な形態を示すソラマメ属種と他地域種との系統関係を分子系統解析(rDNAのITS領域の比較による)により解析した。その結果、系統的に近縁な種が北半球の温帯域に広く分布することが明らかとなり、形態的な特殊化が比較的急速に起った可能性が示唆された。これらの結果については、現在、論文化を始めている。
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Research Products
(2 results)