2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15405045
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 久明 京都大学, 化学研究所, 助手 (30324693)
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70243087)
吉村 徹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70182821)
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Keywords | 好冷微生物 / 好冷菌 / 低温菌 / 低温活性酵素 / 宿主-ベクター系 |
Research Abstract |
1.アラスカ永久凍土、スイス高山土壌から低温での生育速度が速い細菌をスクリーニングした。LB寒天培地、LB液体培地の両培地で4℃で良好に生育する細菌を76株分離した。また、80℃、10分間の加熱処理により、栄養細胞を死滅させることによって胞子形成細菌を濃縮したスクリーニングでは、59株を分離した。これらの内の7株について、16S rDNAの塩基配列解析により、同定を試みた。1株はBacillus psychrosaccharolyticus、4株はBacillus属細菌、4株はPseudomonas属細菌と同定された。 2.シベリア永久凍土から単離した好冷細菌Acinetobacter sp.strain no.6を宿主とした外来タンパク質生産システムを構築した。本菌に外来遺伝子を導入するためのベクターを構築し、形質転換法を確立した。β-ラクタマーゼ遺伝子をレポーター遺伝子とするプロモーター探索ベクターを利用することにより、本菌で機能するプロモーター(P1、P3)を単離した。これらの下流に置かれたβ-ラクタマーゼ遺伝子は高発現し、β-ラクタマーゼが菌体外に分泌生産された。その生産量は、P3を用いた場合では全菌体外タンパク質の50%以上を占めた。本発現システムが好冷微生物由来のタンパク質の生産に適しているか調べるため、南極海水から分離した好冷細菌Shewanella sp.Ac10由来の熱安定性の低いα-アミラーゼ遺伝子をP3プロモーター下流に挿入し、Acinetobacter sp.strain no.6に導入した。Eseherichia coliを宿主とし、37℃で培養した場合に比べ、Acinetobacter sp.strain no. 6を宿主とし、7℃で培養した場合の生産量は約10倍であることがわかった。分泌生産されたα-アミラーゼは、全菌体外タンパク質の約35%を占めた。好冷細菌を宿主とした生産系を利用すれば、この様に熱安定性の低い酵素の高生産も可能であることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Wei, Yun-lin et al.: "A novel esterase from a psychrotrophic bacterium, Acinetobacter sp.strain no.6, that belongs to the amidase signature family"J.Mol.Catal.B : Enzym.. 23. 357-365 (2003)
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[Publications] Suzuki, Takeshi et al.: "Cloning, heterologous expression, renaturation, and characterization of a cold-adapted esterase with unique primary structure from a psychrotroph Pseudomonas sp.strain B11-1"Protein Expr.Purif.. 30. 171-178 (2003)