2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国の慢性ヒ素中毒患者の生体内NO産生低下と酸化ストレスを改善するための介入研究
Project/Area Number |
15406004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
熊谷 嘉人 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00250100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 博 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (90081661)
石井 哲郎 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20111370)
吉田 貴彦 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90200998)
林 登志雄 名古屋大学, 医学部, 講師 (80303634)
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Keywords | ヒ素 / 酸化ストレス / 循環器疾患 / 一酸化窒素 / 介入研究 |
Research Abstract |
本年度になって中国内モンゴル自治区包頭市の慢性ヒ素汚染地域の村では、井戸水の改水作業がなされたため、当初予定していた介入研究が出来ない状況に至った。そこで、2004年10月に井戸水改水が普及していない山西省山陰県でのフィールド調査を再度試みた。当該県には36村が存在するが35村で調査した。調査対象の人口は9,656人でそのうち1,561人において慢性ヒ素中毒症状が認められた。調査した井戸の数は3079個。採取した井戸水を中国医科大学・公衆衛生院において還元気化原子吸光法でヒ素濃度を測定した。その結果、1612個の井戸が中国の環境基準値(0.05PPm)を上回るヒ素が検出された。調査した村の中で特に15A村と17A村に注目して詳しく調査を行った。 15A村では人口1,233人中677人を対象とした。環境基準値を上回るヒ素濃度の井戸は181個中179個存在した。しかし、慢性ヒ素中毒症状は112名と全体の16.5%だった。また、0.1-0.5ppmのヒ素濃度を示す井戸は177個存在した。一方、17A村では人口1,684人中997人を対象とした。環境基準値を上回るヒ素濃度の井戸は327個中318個存在した。慢性ヒ素中毒症状は246名と全体の24.7%だった。また、0.1-0.5ppmのヒ素濃度を示す井戸は313個存在した。以上より、今回調査対象とした村では環境基準値を越えるヒ素濃度を示す井戸が全体の殆どであるのに対して、慢性ヒ素中毒症状は低頻度であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)