2003 Fiscal Year Annual Research Report
アジア地域の小児期の食生活と微量元素摂取量に関する国際比較
Project/Area Number |
15406024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
渡辺 孝男 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (20004608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 正之 (財)京都工場保健会, 研究部長 (00025579)
新保 慎一郎 京都女子大学, 短期大学部, 教授 (60027406)
中塚 晴夫 宮城大学, 看護学部, 教授 (70164225)
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Keywords | 幼児 / 微量元素 / 栄養摂取量 / 食事 / 尿 / 日本 / 中国 / 韓国 |
Research Abstract |
栄養素および健康への慢性影響が問題となる環境中微量元素に注目し、発育・発達期の小児の食事からの摂取量が多様な生活環境を持つアジア地域においてどのように相違するのかを国際比較により明らかにする。日本国内での調査は2000年12月から始めており、同一方法による調査を中国と韓国で実施した。調査対象は幼稚園児で、調査方法・内容は陰膳実測法による食事調査、早朝スッポット尿、毛髪、爪の採取、身体計測および質問紙法による生活状況調査である。調査は2003年10月下旬に韓国済州道、2004年3月に中国山東省の済南地区および湖南省長沙地区でそれぞれ都市部と近郊農村部の幼稚園児各40名、合計240名の協力を得て実施した。食事の他に各家庭別に飲料水も採集した。食事調査は現地の共同研究者とそのスタッフが食品の分別・秤量・記録および食品のコード化作業を担当した。食事検体は一日の全食事をミキサーでペースト状にした後、その一部を分析用として保存した。食事および尿等の各検体は凍結して日本に持ち帰り,現在凍結保存および微量元素分析に供している。なお、中国の食事検体で偶蹄類の肉を含む物については動物検疫上の問題から輸入が保留されている。食事および尿等は湿式灰化後に鉛,カドミウム、錫をICP-MS装置で、鉄、銅、亜鉛等はICPや原子吸光装置で行っている。塩素はクロライドカウンターで測定している。 調査結果:1)韓国済州道の幼稚園児76名について、(1)給食を除く家庭での鉛、カドミウム、錫の各摂取量は4.3,10.2,3.2ug/day(GM,幾何平均値)である。(2)尿中鉛、カドミウム、錫の各濃度は1.92,0.69,2.38ug/L(GM)である。2)中国済南地区、都市と農村部各40名の尿中鉛、カドミウム、錫のそれぞれの各濃度は1.61と2.69,2.39と2.64,0.40と0.45ug/L(GM)である。3)中国長沙地区、都市と農村部各40名の尿中鉛、カドミウム、錫のそれぞれの各濃度は3.86と6.79,4.18と4.47,0.72と0.48ug/L(GM)である。
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Research Products
(1 results)