2003 Fiscal Year Annual Research Report
アジアに好発する進行性腎障害の遺伝素因に関する国際比較調査研究
Project/Area Number |
15406033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
土井 俊夫 徳島大学, 医学部, 教授 (60183498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚口 裕康 徳島大学, 医学部, 助手 (60335792)
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Keywords | 腎臓 / 慢性腎不全 / 透析 / IgA腎症 / 複合遺伝病 / 日中共同研究 |
Research Abstract |
背景 慢性腎不全で維持透析導入の2大原因疾患は,糖尿病性腎症とIgA腎症で全体の半数以上を占めている。IgA腎症は、複合遺伝疾患であるが発症率が民族間で異なり、遺伝素因が関与が示唆されている。例えば、IgA腎症は日本をはじめとするアジア諸国に多いが、欧米特に黒人には頻度が低い。 目的 IgA腎症の発症機構の解明と進展を阻止する新たな治療法の開発は、慢性維持透析に必要な医療費を抑制するために必須で、社会要請の高い課題である。本研究では,IgA腎症の発症機序が高いアジア、特に日中の症例の臨床・病理像を比較することにより、本疾患を始めとする進行性腎障害の発症機序を解明する手がかりを得る。 方法 本院と関連病院で腎生検したIgA腎症症例と、中国北京解放軍総医院腎医科で腎生検した症例の臨床(発症年齢、家族歴、腎障害進展速度、合併症)と病理像(光顕、蛍光免疫染色、電顕所見)を比較し、発症や進展に関わる因子を探索する。 結果 中国北京解放軍総医院腎医科における腎疾患特にIgA腎症の診療状況の現地調査を行った。年間200-300症例の腎生検があり、そのうちIgA腎症が40%程度を占めていた。日本の症例に比べて、尿蛋白が多く(1g/日以上)で腎機能異常(血清クレアチニン1.5mg/dl)を示す割合が多かった。現在症例の臨床・病理所見をまとめたデータベースを作成中である。 考察 学校や職場の検尿が普及している日本では、比較的軽症例に遭遇する傾向にあるが中国の症例の臨床・病理像を比較することにより進展・増悪因子の探索を試みる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shono A: "An Adhesion Molecule Coxsackievirus and Adenovirus Receptor (CAR) is a Novel Binding Partner of Podocin"J Am Soc Nephrol. 14. 25A (2003)
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[Publications] Kitamura A: "Genetic Linkage Analysis of Candidate Loci in Japanese Families with Steroid Resistant Nephrotic Syndrome"J Am Soc Nephrol. 14. 103A (2003)
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[Publications] 塚口裕康: "遺伝性ポドサイト腎症-症候性疾患"腎と透析. 55・5. 753-764 (2003)