2005 Fiscal Year Annual Research Report
制約付き包含と排除の原理に基づく画像分解に関する研究
Project/Area Number |
15500012
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
伊藤 暁 山口大学, 工学部, 助教授 (10159858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 躍 山口大学, メディア基盤センター, 助教授 (30263792)
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Keywords | ペブル / 交代性 / 領域計算量 / Pシステム / 2値画像 / Lシステム |
Research Abstract |
1.loglog n以上log n未満の領域計算量において、1ペブル交代性チューリング機械は非決定性のものより真に受理能力が強いことを示した。領域計算量とはアルゴリズムを実行する際に作業用に用いる内部メモリーの使用量のことであり、また決定性2次元1ペブル有限オートマトンが2値画像の連結性を認識できるという事実を考えれば実用的にも興味深い結果である。 2.2次元画像上で動作するオートマトンの認識能力に関して、1触手を持つ2次元コミュニケーションPシステムを新に導入し、細胞膜の深さが1で決定性の場合は有限オートマトンよりも真に受理能力が弱いが、深さが2以上であれば決定性、非決定性いずれの場合にも通常の有限オートマトンと等価であることを示した。Pシステムとは、細胞内で並列分散的に起こる生化学反応過程をオートマトン理論的に解釈した計算モデルであり、我々のPシステムでは触手を通じて外部にある画像情報を細胞内に取り込みながら細胞内で化学反応を進める。2次元有限オートマトンが2値画像の連結性を認識できるかどうかは未解決な問題であるが、それと等価なPシステムが見出されたことは当該オートマトンを設計する際により自由度をもたらすはずである。 上記以外に、矩形の紙を規則的に折り畳んだ際に生成される図形パターンの生成過程をモデル化し、行列Lシステムと呼ぶ新たな形式文法を提案した。Lシステムは植物などのCG画像を生成するための枠組みとしてよく知られている。このような折り畳み操作とともに紙を切断するという操作を併用することで、どのような2次元画像が生成されるかを計算機シミュレーションによって調査した。当結果は国際会議に投稿中である。
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Research Products
(2 results)