2003 Fiscal Year Annual Research Report
双方向電流モード多値回路技術に基づく超高速非同期データ転送VLSIの開発
Project/Area Number |
15500029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽生 貴弘 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40192702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 明 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (40359542)
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Keywords | ハンドシェイク通信 / クロック分配 / クロックスキュー / 2線式 / 多値符号化 / プロトコル / デュプレックス / チップ内通信 |
Research Abstract |
本研究プロジェクト初年度にあたる本年度はまず、従来までの非同期データ転送における問題点の抽出を行った。すなわち、有効信号と無効信号を交互に転送する.「2値2線4相方式」では有効データの送受信と無効データの送受信で計4回のモジュール間データ転送が必要となること、並びに奇数相および偶数相を交互に転送する「2値2線2相方式」でも、有効データを送受信するため、2回のモジュール間データ転送が必要であり、これらのデータ転送が非同期式制御の高速化の妨げになっていることを明らかにした。次いで、モジュール間データ転送オーバーヘッドを本質的に解消できる新しい高速非同期データ転送実現のための多値2線符号化方法を検討した。送信側および受信側の双方から同時に「要求」信号を出し合い、これらの信号を加算し、その加算結果を送信側および受信側の双方で観測すれば、1回の転送でモジュール間データ送受信が完了することとなる。この双方向非同期データ転送プロトコルを実現するために、加算結果が単調性を満たしている必要があることを見出すと共に、提案プロトコルのための多値符号化を考案した。さらに、加算をできるだけコンパクトなハードウェアで実現するため、本研究では、電流モード回路技術による多値回路構成を提案すると共に、その原理動作を電子回路解析シミュレータHSPICE上でシミュレーションし、所望の動作が行われていることを確認した。これらの研究成果は、多値論理研究で最も権威のあるISMVL(多値論理国際シンポジウム)にて、2003年採録と2004年採録決定されると共に、電子情報通信学会論文誌Cに掲載決定された。
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Research Products
(17 results)
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[Publications] Tsukasa Ike: "Optimal Design of a Dual-Rail Multiple-Valued Current-Mode Integrated Circuit Based on Voltage Swing Minimization"Journal of Multiple-Valued Logic & Soft Computing. 9・1. 5-21 (2003)
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[Publications] Hiromitsu Kimura: "Multiple-Valued Logic-in-Memory VLSI Using MFSFETs and Its Applications"Journal of Multiple-Valued Logic & Soft Computing. 9・1. 23-42 (2003)
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[Publications] Takahiro Hanyu: "Multiple-Valued Dynamic Source-Coupled Logic"Proc.IEEE International Symposium on Multiple-Valued Logic. 33. 207-212 (2003)
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[Publications] Takahiro Hanyu: "Bidirectional Data Transfer Based Asynchronous VLSI System Using Multiple-Valued Current-Mode Logic"Proc.IEEE International Symposium on Multiple-Valued Logic. 33. 99-104 (2003)
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[Publications] Tomohiro Takahashi: "High-Speed Asynchronous Data Transfer Scheme Based on 2-Color 1-Phase Dual-Rail Coding and Its VLSI Design"Proc.1st Student-Organizing International Mini-Conference on Information Electronics System. 298-302 (2003)
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[Publications] 西ノ原大介: "相補形パスゲートロジックに基づく低消費電力VLSIシステムの構成"平成15年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 2G1. 243 (2003)
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[Publications] 佐藤宏則: "ソースカップルドロジックに基づく高性能多値集積回路の構成"平成15年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 2G3. 245 (2003)
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[Publications] 竹内祟: "パケット形式に基づくチップ内データ転送"平成15年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 2G5. 247 (2003)
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[Publications] 望月明: "信号・しきい値多重化に基づく高性能電流モード多値回路の構成"多値論理とその応用研究会技術研究報告. MVL-04・1. 99-105 (2003)
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[Publications] 望月明: "差動対ツリー構造に基づく多値論理回路網の系統的設計"多値論理フォーラム、多値論理研究ノート. 26. 6-1-6-6 (2003)
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[Publications] 望月明: "高速低電力多値電流モード回路の展望"第2回次世代VLSIコンピューティングとシステムインテグレーション(NGC)研究会. 講演番号4. (2003)
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[Publications] Akira Mochizuki: "Low-Power Multiple-Valued Current-Mode Logic Using Substrate Bias Control"IEICE Trans.on Electronics. E87-C・4(to be published). (2004)
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[Publications] 高橋知宏: "双方同時制御に基づく非同期データ転送方式とそのVLSI実現"電子情報通信学会論文誌C(採録決定、2004年5月掲載予定). J87-C・5. (2004)
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[Publications] Tomohiro Takahashi: "Multiple-Valued Multiple-Rail Encoding Scheme for Low-Power Asynchronous Communication"Proc.IEEE International Symposium on Multiple-Valued Logic. 34(to be published). (2004)
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[Publications] 竹内祟: "自律分散制御に基づくチップ内高速データ転送方式"電子情報通信学会技術報告. ICD2003-221. 33-37 (2004)
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[Publications] 望月明: "基盤バイアス制御に基づく低電力多値集積回路の構成"電子情報通信学会2004年総合大会講演論文集. SC-11-11. S-7-S-8 (2004)
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[Publications] 高橋知宏: "電流モード制御信号多重化に基づく高速非同期データ転送LSIの試作"電子情報通信学会2004年総合大会講演論文集. SC-11-12. S-9-S-10 (2004)