2003 Fiscal Year Annual Research Report
セルラ移動体通信システム設計・評価のための統一的解法
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15500047
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 源治 東京都立科学技術大学, 生産情報システム工学科, 教授 (80100387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 久志 東京都立科学技術大学, 生産情報システム工学科, 助教授 (60231677)
飯村 清明 東京都立科学技術大学, 自然系, 教授 (50112470)
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Keywords | セルラーシステム / light traffic / 性能評価 / 近似解法 / 優先権 |
Research Abstract |
着目した1つのセル(tagged cell)とその隣接したセルからなるセルラーシステムを対象としている。このモデルを確率過程(N(t),C^^ ̄(t))として定式化する。ここでN(t)は時刻tのtagged cell内の客数で、C^^ ̄(t)はそのセル内の詳細な状態(これはプロトコルにより決まる)を表わすベクトルである。もしP_<n,c^^ ̄>≡P[N(t)=n,C^^ ̄(t)=c]が決定できれば、セルラーシステムの種々の設計指標を得ることができる。この指標を得るためにP_<n,c^^ ̄>=P_nx_<n,c^^ ̄>,P_n=P(N(t)=n),x_<n,c^^ ̄>=P[C^^ ̄(t)=c^^ ̄|N(t)=n]と書けること、及びP_nはbirth and death processの定常分布であることに着目している。われわれのアプローチは、(i)x_<x,c^^ ̄>のlight traffic limit Y_<n,c^^ ̄>をn-呼源モデルを用いて見出すこと、(ii)近似x_<n,c^^ ̄>=P[C^^ ̄(t)=c^^ ̄]【approximately equal】P_ny_<n,c^^ ̄>で設計指標を推定すること、からなる。本年度は優先権のある客が存在する場合、2つのプロトコルからなるモデル(モデルI・II)を構築し、その両モデルに対して上述のアプローチの適用を試みている。理論的にはモデルIに関しては、(i)が確かにx?<n,c^ ̄>のlight traffic limitを与えることを証明している。モデルIIについてはこの証明に至っていないが、数値実験により(i)を検証している。(ii)の有効性を確立するため、大規模な数値実験を行った。結果は、light trafficのみならず実用的なトラヒックについても上述のアプローチは、2項分布のポアソン近似のように応用上十分な精度を持つ指標が得られることを明らかにした。Dong Hwa大学(Taiwan)で2004年3月に開かれた「Applied Probability Workshop」の招待講演でこの成果を公表し、現在EJORに投稿中である。
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