2004 Fiscal Year Annual Research Report
分散通信と結合構造の再構成が可能なPCクラスタ型高並列計算機の研究
Project/Area Number |
15500054
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
津田 伸生 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10298185)
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Keywords | PCクラスタ / 相互結合網 / 並列分散処理 / 再構成 / リング結合 / メッシュ結合 / サーキュラントグラフ / フォールトトレランス |
Research Abstract |
本研究は,申請者が先に考案した汎用のEthernet方式で分散通信が可能でかつ多数の計算ノード結合できるHCC ABL-treeと呼ぶ構造の相互結合網をもつPCクラスタ構築技術の確立を目的としている.HCC ABL-treeは,その構成要素となるABL-tree(ABL : additional bypass linking)をリング結合や完全結合を施した複数個のサブアレイに最小距離3のグラフの点彩色によってスイッチ付き木構造網を割り付けて構成し,複数個のABL-tree間をスイッチ経由の階層化完全結合(HCC)で接続して構成される.平成16年度は,前年度に開発した並列処理プロセスをモデル化したグラフをクラスタに埋め込む際の捩れを解消できるサーキュラントグラフベースの構成法による2階層HCC ABL-tree構造PCクラスタプロトタイプ(計算ノード数24,Gaga-bit Ethernet使用)と分散ルーティングアルゴリズムを用いて,並列行列計算,並列画像処理をモデルとしたノード間並列通信の性能評価,および計算ノード数を200程度まで大規模化した場合の従来の木構造網と比較した性能予測評価を行った.その結果,提案法では,各計算ノードで分散ルーティングのための中継処理を行うため,ノード数20以下の小規模クラスタでは従来の木構造網と比較してほぼ同等の通信性能となるが、ノード数20以上の中/大規模クラスタでは通信のボトルネック解消の効果が極めて高いことがわかった.また本年度は,並列通信における個々の分散ルーティングをさらに3通りの経路に多重分散させるアルゴリズムを新規に開発し,並列通信のホットスポット解消に有効であることを確認した.今後は,ビジー計算ノードの除外が可能な再構成機能の実装,分散中継処理のさらなる高速化と性能評価を行う.
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