2005 Fiscal Year Annual Research Report
分散通信と結合構造の再構成が可能なPCクラスタ型高並列計算機の研究
Project/Area Number |
15500054
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
津田 伸生 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10298185)
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Keywords | PCクラスタ / 相互結合網 / 並列分散処理 / 再構成 / リング結合 / メッシュ結合 / サーキュラントグラフ / フォールトトレランス |
Research Abstract |
本研究は,汎用のEthernet方式で分散通信が可能でかつ多数の計算ノード結合できるHCC ABL-treeと呼ぶ階層構造の相互結合網をもつPCクラスタ構築技術の確立を目的としている.HCC ABL-treeを構成するには,まずその構成要素となるリング結合や完全結合を施した複数個のサブアレイに最小距離3のグラフの点彩色によってスイッチ付き木構造網を割り付けて1階層ABL-tree(ABL : additional bypass linking)を構成し,これら複数個のABL-tree間をスイッチ経由の階層化完全結合(HCC)で接続する.平成17年度は,前々年度に開発したサーキュラントグラフベースの構成法による2階層HCC ABL-tree構造PCクラスタプロトタイプ(Gaga-bit Ethernet使用)の計算ノード数を32に拡張し,前年度に開発した単一経路分散ルーティングアルゴリズムを多重経路分散型に改良し,通信負荷の分散効果とビジーや故障の計算ノードを迂回するフォールトトレランス性能を評価した.その結果,多重経路分散型では,単一経路分散型よりノード間距離が1増大するが個々のルートを経由するパケット数をよりいっそう平均化できるため,通信遅延の増加を抑えつつ簡便にフオールトトレランスを実現できることがわかった.また本年度は,提案構造のPCクラスタの応用として,高分散型ネットワークストレージにおける記憶データのハミング誤り訂正符号ベースの消失復元処理を多段パイプライン型並列処理で高速化することを試み良好な結果を得た.以上の研究結果に基づいて,提案構造のPCクラスタにおいて大規模メッシュ結合網などを理想状態で模擬するための構成条件を取りまとめ,3年間の研究を予定どおり完了した.
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