2003 Fiscal Year Annual Research Report
最適フレームレート推定に基づく動画メディアのための効率的な伝送制御法
Project/Area Number |
15500059
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 俊之 福井大学, 工学部, 助教授 (50240297)
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Keywords | 動画像符号化 / フレームレート / 最適化 / レート制御 / 主観画質 / トランスコード / フレーム制御 / 可変フレームレート |
Research Abstract |
本研究は,与えられた伝送レート制約の下で主観画質を最大化する「最適フレームレート推定法」を,実動画像に対して適用する手法を確立し,動画像を最適フレームレート下で符号化あるいは変換符号化(トランスコード)する具体的なアルゴリズムの開発を主たる目的とする. 平成15年度は,(1)動きが非定常である動画像の主観評価値を最大とするフレームレート制御法の確立,(2)フレームレート可変の下で動画像を符号化・トランスコードする際のレート制御法の確立,の2点を研究目標とした. まず(1)については,動画フレームを一定数のフレーム群に分割し,そのフレーム群を単位に最適フレームレート推定と符号化を行う手法を検討した.推定されたフレームレートの変化点での違和感およびシーケンス全体の滑らかさ等を中心に主観評価を行ったところ,固定フレームレートに比べ主観評価値が改善されることを実際に確認した.また.フレーム単位に,その主観画質を最も大きく改善するフレームを順次挿入して行くフレームレート制御手法についても検討を行った. (2)については,動画像符号化の標準手法であるMPEG符号化法を対象として,最適フレームレート,すなわち可変フレームレート下で,与えられた伝送ビットレートを満足するレート制御手法を確立し,MPEG2によるトランスコーダおよびMPEG4によるエンコーダに実装した.簡易な主観評価実験を行った結果、固定フレームレートに基づく手法に比べ,特にシーケンス内の動きの変動が大きい画像に対して,大きな画質改善が図れることを確認した. 特に,上記(1)については,従来では詳細に検討されていなかった,動画像中の動物体の移動速度と必要なフレームレートとの関係を,主観評価実験に基づいて導出し,フレーム単位でのフレームレート制御手法に対して明確な指針を与えることができた.
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