2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川合 慧 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50011664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 知適 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00345068)
増原 英彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40280937)
山口 和紀 東京大学, 情報基盤センター, 教授 (80158097)
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Keywords | 評価関数 / 動的評価器 / 知識獲得 / 局面遷移規則 / feature / ガロア束 / 自己反映計算 / アスペクト |
Research Abstract |
本研究は、学習による局面評価、概念の形成、および効率的な評価器の自動生成という3項目を統合的に扱い、最終的には、評価プログラムの学習による自動生成を目的としている。手法としては、種々の分野における局面判断を可能な限り正確に行なう評価関数を、局面遷移規則と評価用のデータのみから創出するfeatureと呼ばれる部分データの集合から構成する。次に、ガロア束の構造を「概念」とみなし、feature集合で有効に働くものを選び、その中に含まれる部分述語からガロア束を構成し、局面判断に対して有効な概念を抽出してデータベースを作成する。また、局面判断を行なう多数のエージェントを自己反映計算の手法を使って作成し判断を動的に行う構成とする。以下、要素的な研究実績を示す。 1.評価関数に関する幅広い研究 当面の研究対象である将棋について、これまでのような「先読み」に関係する評価ではなく、単なる駒の組の存在をベースとした評価関数について検討した。その結果、単純な関係の複合によっても、かなりの程度の評価が可能であることが明らかとなった。別の対象としてスライドパズルの一種である倉庫番ゲームの問題作成に関する評価を研究した。また、これらの研究のベースとなる研究用プログラムライブラリの構成についても検討し、具体化することができた。 2.知職とデータ分類に関する研究 得られた大量のデータ(本研究ではfeature)を有意に分類することによって、「知識」に類似したまとまりが概念として得られる、という見通しがある。これを明らかにするための大規模データ集合に対する効率的な分類の手法について研究を行い、成果を得た。またこの手法は、WEBを用いた教材の分析にも効果的であることを示した。 3.自己反映計算とアスペクトに関する研究 多くのエージェントに共通の動作をエージェント作成後に追加する機構であるアスペクト(aspect)について研究し、その実効的な実現方法を明らかにした。この手法は、評価関数のシステム全体を進化的に構成してゆくためのもので、本研究のキーポイントの一つでもある。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 金子知適: "駒の関係を利用した将棋の評価関数"第8回ゲームプログラミングワークショップ. 8. 14-21 (2003)
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[Publications] 金子知適: "将棋プログラムにおける棋譜を利用した囲いの評価"夏のプログラミングシンポジウム予稿集. 63-70 (2003)
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[Publications] Kaneko, T.: "Automated Identification of Patterns in Evaluation Functions for General Game Players\"Advances in Computer Games Many Games, Many Challenges. 279-298 (2003)
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[Publications] 田中 哲朗: "高速将棋ライブラリOpenShogiLibの作成"第8回ゲームプログラミングワークショップ. 8. 114-117 (2003)
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[Publications] 小田原 大: "倉庫番のゴールエリアの自動配置手法"第8回ゲームプログラミングワークショップ. 8. 67-74 (2003)
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[Publications] Kaneko, T.: "Automated Identification of Patterns in Evaluation Functions for General Game Players"Advances in Computer Games. 10. 279-298 (2003)
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[Publications] Matsuda, Y.: "Linear multilayer ICA algorithm integrating small local modules"Proceedings of ICA2003, Nara. 403-408 (2003)
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[Publications] Masuhara, H.: "Modeling Crosscutting in Aspect-Oriented Mechanisms"Proceedings of European Conference on Object-Oriented Programming (ECOOP2003). 2-28 (2003)
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[Publications] Masuhara, H.: "Dataflow Pointcut in Aspect-Oriented Programming"Proceedings of The First Asian Symposium on Programming Languages and Systems (APLAS'03). 105-121 (2003)
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[Publications] Sakurai, K.: "Association Aspects"Proceedings of the 3rd International Conference on Aspect-Oriented Software Development (AOSD'04). (in press). (2004)