2004 Fiscal Year Annual Research Report
HOTおよびCOLD最適化法による膵ランゲルハンス島の機能モデルに関する研究
Project/Area Number |
15500126
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
宮野 尚哉 立命館大学, 理工学部, 教授 (10312480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 隆浩 弘前大学, 医学部, 助教授
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Keywords | highly optimized tolerance / scale-free structure / 膵β細胞 / 集団同期 |
Research Abstract |
膵島構造を決定することを目的としたHOTおよびCOLDアルゴリズムの開発を行った。β細胞は血中グルコースセンサに例えることができるので、センサネットワークをβ細胞ネットワークと見なして、既に開発したプログラムを拡張した。成果の一部は、センサネットワークの最適構造設計に関連させて論文として発表した。αまたはδ細胞が膵島に含まれる様子がscale-free構造に対応すると仮定し、β細胞クラスターにscale-free構造の細胞欠損を生じさせた場合、膜電位スパイク列がどのように変化するか数値的に再現するプログラムを継続して開発中である。これは、17年度に完成の予定である。膵島モデルが発生する膜電位パルス列が生理学的データをどの程度再現するかは、パルス列の複雑さという観点から、順列エントロピー計算用ソフトウェア等を用いて評価する。これらの数値的研究によって、膵島の細胞配置に関するscale-free構造が明らかになるであろう。最終的に、本研究の主テーマである膵島システムのリスク耐性について、α細胞、β細胞、δ細胞がscale-free構造を保ちつつ結合する可能性について示唆するような新たな知見が得られるであろう。医用工学への展開については、マイクロ糖針を基本材料とした新しい経皮性薬剤配送システムの研究を進めてきた。17年度は、この研究に対して本研究の成果がどのような知見・ヒントを与えるか考慮し、糖尿病治療に関する医用工学的研究に発展させることを目指す。
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Research Products
(4 results)