2003 Fiscal Year Annual Research Report
公共図書館の新規サービス展開に対する住民の選好意識とコンジョイント分析による評価
Project/Area Number |
15500153
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
歳森 敦 筑波大学, 図書館情報学系, 助教授 (80222149)
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Keywords | 公共図書館 / 選好意識 / コンジョイント分析 / Choice Based Conjoint |
Research Abstract |
図書館の非利用者と利用者の選好構造の差異の分析を目的に,つくば市民を対象とした質問紙による予備的なCBC(Choice Based Conjoint)調査を行い,その結果を分析した.15歳以上の市民から層化二段抽出により抽出された1500名に郵送で調査を依頼し,481票の有効回答を得た(有効回収率32.6%). その結果,利用経験者の選好として「資料の種類」(36.5%)「開館時間の長さ」(24.7%)「情報化への対応」(21.4%)「開館日数」(9.9%)「座席の整備」(7.2%)「レファレンスサービス」(0.4%)の順に重要と考えられていること,非利用者では「資料の種類」(32.6%)「開館時間の長さ」(18.8%)「情報化への対応」(18.1%)「座席の整備」(14.8%)「開館日数」(9.1%)「レファレンスサービス」(6.6%)の順であることが示された.図書館の利用経験者か非利用者かによってサービス要素の評価順位に顕著な差異は見られないが,その重みづけはやや異なると言える. 本年度の結論としては,(1)調べもの支援のような要求はむしろ図書館の非利用者に存在すること,(2)「しらべもの相談・読書相談」という提示と「調べたい問題を言えば,適切な本や雑誌の記事などを紹介してくれる」という提示によって大きく選好の判断が分かれるなど,サービスを提示する文言の影響が大きいという,選好評価手法としての技術的課題が明らかになったこと,(3)この観点からは来年度に実施する本調査に向けて文言の慎重な検討が必要であることが明らかとなったため,これらを次年度の本調査の設計に反映する.
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