• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2003 Fiscal Year Annual Research Report

幼児の社会的行動の発達に関する進化ゲーム論的研究

Research Project

Project/Area Number 15500170
Research InstitutionAoyama Gakuin University

Principal Investigator

佐伯 胖  青山学院大学, 文学部, 教授 (60084448)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小林 紀子  小田原女子短期大学, 幼児教育学科, 助教授 (20331499)
刑部 育子  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 講師 (20306450)
亀田 達也  北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20214554)
Keywords幼児の遊び / 仲間づくり / 進化ゲーム / 協調行動 / マルチエージェント・シミュレーション
Research Abstract

今年度の大きな成果は、2003年9月に北海道大学にて、北海道大学COE「心の文化・生態学的基盤」第2回一般公開ワークショップにおいて、本研究の成果を報告するとともに、重要な意見交換を行うことができたことである。また、亀田研究室とも研究交流を一層深めることができた。本研究の成果は、日本認知科学会第20回大会(2003.6.6-8、於電気通信大学)、日本発達心理学会第16回大会(2004.3.21-23於白百合女子大学)にて発表している。また、『数理科学』(サイエンス社)の2004年5月号に、「子どもの遊びにおける協調と対立のゲーム論的分析」(リレー連載「ゲーム理論の新展開」)が掲載予定である。
前年度から課題となっていたシミュレーションについては、構造計画研究所のKK-MASという、マルチエージェント・シミュレーション用のプログラム言語を使ってモデル化に成功した。それによって、グループでの多様な「遊び」をめぐってのゲーム論的交渉過程をシミュレーションすることができた。そこでは、一人ひとりの子ども(プレーヤー)は、タカ派(自分の遊びを他人に強要する)かハト派(強要されたら、相手の言いなりになるが、強要されないなら平和的に交渉)のいずれかの態度を確率的にとるものとする(タカ派戦略の確率の初期値が個人別に設定)。また、遊びは自分がホンネとして遊びたい遊びと、相手に合わせている遊び(タテマエ)があり、相手に強要されたときはタテマエの遊びは相手に合わせるがホンネは変わらず、ホンネの遊びを提案する機会を待っているものとする。自分のホンネの遊びが採用されていないことが続くと、不満度が増大する。実際の交渉は、遊びの魅力(Incentive, I)とその時点での不満度(Dissatisfaction, D)の積、IxD、の値が比較され、その値の大きい方が採用される。タカ派確率や不満度は、交渉の結果によって増減するようになっており、それらの相互関係の変化が、特定の遊びがどの程度グループ全体に広がるか、もしくは、すぐに捨て去られるかがきまる。このようなグループ内での遊びの普及や衰退についてのシミュレーションモデルは、実際の保育現場の観察事実にかなり適合することがわかった。次年度は、遊びのリーダーやコーディネーターの役割について、くわしく分析する予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All Other

All Publications (7 results)

  • [Publications] Kameda.T., Nakanishi, D.: "Does social/cultural learning increase human adaptability? Rogers' question revisited"Evolution and Human Behavior. 24. 242-260 (2003)

  • [Publications] Kameda, T., Takezawa, M., Hastie, R.: "The logic of social sharing : An evolutionary game analysis of adaptive norm development"Personality and Social Psychology Review. 7. 2-19 (2003)

  • [Publications] 中西大輔, 亀田達也, 品田瑞穂: "不確実性低減戦略としての社会的学習:適応論的アプローチ"心理学研究. 74. 27-35 (2003)

  • [Publications] 刑部育子: "集団保育のなかでの遊び"保育実践のフィールド心理学(無藤隆, 倉持清美(編))(北大路書房). 108-117 (2003)

  • [Publications] 刑部育子: "学びと育ちの相互作用:保育の場における子ども・保育者・研究者"発達. 95巻. 26-32 (2003)

  • [Publications] 小林紀子, 木内英実: "保育における昔話の位置づけ〜異常誕生譚 桃太郎を中心に〜"小田原女子短期大学紀要. 34巻(印刷中). (2003)

  • [Publications] 佐伯 胖: "「学び」を問いつづけて-授業改革の原点-"小学館. 398 (2003)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi