2005 Fiscal Year Annual Research Report
情報検索行動における認知過程とユーザーインタフェースに関する研究
Project/Area Number |
15500173
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
大島 尚 東洋大学, 社会学部, 教授 (20114415)
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Keywords | 情報検索 / 眼球運動 / ユーザーインタフェース / WEBデザイン / ナビゲーション / ユーザビリティ |
Research Abstract |
平成17年度は本研究の最終年度であることから、これまでの成果を整理しながら、テーマについての一貫性を持たせるように研究計画を立てた。まず、実験装置として用いた非接触型アイマークレコーダのデータ解析ソフトがWindowsXPに対応可能となったことを受け、パソコンとディスプレイ装置も含めてシステムの更新を行った。また、Webページを従来のHTMLによる記述からXHTMLとCSSを用いた記述に書き換え、コンテンツの構造と視覚表現を独立に操作できるようにした。その上で、ユーザビリティの観点からWebページのデザインについての組織的な検討とデータの収集を行った。デザインの基本として、レイアウト、ヘッダーとフッター、ナビゲーション、コンテンツ、階層構造などを操作し、さらに「パンくずリスト」と呼ばれる階層表示の効果についても検討した。レイアウトについては、「左上から右下への法則」に準拠した逆L字型構造の優位性が確認された。さらに、ページごとのレイアウトの一貫性が重要であり、ページの移動にともなってレイアウトが変化する場合の検索への悪影響が見出された。コンテンツの構成についても、左揃えの効果と、インデントに対する行間スペースの優位性が確認された。また、文の長さを短くすることや空白スペースを設けること、キーワード文字の強調の効果も認められた。バナー広告の挿入による効果も調べたが、動的なバナー広告への視線の移動傾向が見られた。配色については、ナビゲーションの背景色が効果を持つことや調和的配色の効果が見られたが、形式的には多くの色の組み合わせが可能であることから、詳細な検討には至らなかった。階層構造に関しては、検索過程での「パンくずリスト」への依存傾向が強く認められ、検索における「位置確認」の重要性が確認された。Webページのデザインについて、効率的な検索を促す要因がいくつか明らかになったが、今後はコンテンツの目的との関連を考慮した研究へと発展させていきたいと考えている。
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