2004 Fiscal Year Annual Research Report
推定関数に基づく頑健的セミパラメトリック・モデルの選択法の構築を目指して
Project/Area Number |
15500179
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
汪 金芳 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10270414)
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Keywords | semiparametric inference / estimating function / bootstrap / generalized linear model / Logistic regression / Bayesian inference / robust algorithm / confidence interval |
Research Abstract |
以下の2点に絞って、今年度の研究実績の概要を報告する。 まず、今年度は前年度に引き続いて推定関数の正規化変換に基づくセミパラメトリック推論に関する理論的研究、および数値的考察を行った。特に信頼区間の構築について種々の結果を得ることができた。データに含まれる統計的情報を信頼区間の形で表現することは薬効評価などの実験科学において広く利用されている。本研究では、従来の正規化変換の理論をセミパラメトリック推論の枠組みに拡張し、推定量が非線形推定方程式によって陰に定義されることを前提として、推定方程式を解くことなく、不偏推定関数に対して直接正規化変換を施すことによって、いくつかの2次の精確性を持つ信頼区間の構成法を提案した。得られた成果はJournal of Statistical Planning and Inferenceに出版される予定でする(種市信裕と共著)。 次に、一般化線形モデルを拡張し、ベイズ的一般化線形モデルに関する研究を行った。従来の一般化線形モデルにおいては、線形予測子と反応変数の平均の関係を連結関数によって厳密に規定している。言うまでもなく線形予測子と平均の実際の関係は必ずしもこの仮定を満たすとは限らない。ベイズ的一般化線形モデルでは、正準母数の事前分布を導入することにより、線形予測子と反応変数の平均の関係をより曖昧なものにし、柔軟な回帰モデルを得ることができる。本研究では回帰母数の推測に焦点を当て、周辺尤度に基づくいくつかのアルゴリズムを提案した。またこれらのアルゴリズムを、ベイズロジスティックモデルに応用し、尿路感染症問題への適用を通してその有効性を確認した。得られた成果をThe Eighth China-Japan Symposium on Statisticsにて発表した。また詳細な学術論文として纏めている最中である。
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