2003 Fiscal Year Annual Research Report
情報論的ダイバージェンスによる各種新しい信号・画像解析法の提案
Project/Area Number |
15500191
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
吉川 昭 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (30075329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 久 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (50278735)
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Keywords | 等価帯域幅 / Renyiのエントロピー / flatness factor / 画像閾値 / ヒストグラム帯状分割 / 相互情報量最大基準 |
Research Abstract |
1.確率的信号のスペクトルの等価帯域幅に関して、従来多くの提案があった。本研究においては、これらが5つの種類に纏められること、そして、それらのうちの4つは、Renyiのエントロピーにより表現されるクラスに統一されることを示した。 2.上記クラスに属さないもう1つの等価帯域幅は、AR過程理論におけるflatness factorと呼ばれるものであり、これを包含するさらに大きなクラスが存在すると思われる。これに関しては検討中であるが、Renyiのinformation gainの考え方がヒントになると思われる。 3.上記、Renyiのエントロピーによる等価帯域幅の表現は、一つの正値パラメータαを持ち、αを変えることにより連続的に異なる等価帯域幅を得ることができる。従って、ある特徴的なαに対する等価帯域幅を比較することにより、異なる信号の乱雑性などを比較できるであろう。 4.上記スペクトル大域の考え方は、通常の正値関数の等価的広がりの定義にも使える。この考えを用いて画像ヒストグラムの帯状分割も可能である。すなわち、ヒストグラムによる従来の画像分割は、それぞれのピークで代表される2つクラスを、ヒストグラムの谷の部分に閾値を設けることにより達成されると考えられていた。しかし、山を構成するピクセルのみが重要とは限らず、谷を構成するピクセルにも意味があると考えられる。上記等価帯域の考えを用いたヒストグラム帯状分割はこの谷にも情報があるとの考えに合ったものである。 5.本研究では、ヒストグラムによる画像閾値決定に用いられてきた従来の誤り率最小原理に代わる、新しい原理として相互情報量最大基準を提案した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kikkawa, Sho, Yoshida, Hisashi: "On unification of equivalent bandwidths of a random process"IEEEE Trans. Signal Processing Letters. In print. (2004)
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[Publications] 吉川 昭, 吉田 久: "エントロピー・ダイバージェンス・そして最尤法と信号解析"第17回日本エムイー学会秋季大会プログラム・論文集. (CD). (2003)
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[Publications] 吉川 昭, 吉田 久, 宇崎 周作, 藤井照也, 杉本清: "Spacingsによるエントロピー推定と画像パターン分類"平成15年度電気関係学会関西支部連合大会予稿集. (2003)
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[Publications] 吉川 昭, 吉田 久, 増本哲也: "最大相互情報量基準による最適閾値決定法"平成15年度電気関係学会関西支部連合大会予稿集. (2003)
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[Publications] 吉川 昭, 山脇伸行, 吉田久, 佐藤俊輔: "システム、信号解析・そしてプログラミング"コロナ社. 164 (2003)
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[Publications] 日野幹雄, 吉川 昭, 他偏: "スペクトル解析ハンドブック"朝倉書店. 621 (2004)
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[Publications] 佐藤俊輔, 吉川 昭, 木竜 徹: "生体信号処理の基礎"コロナ社. 203 (2004)