2004 Fiscal Year Annual Research Report
タイミング依存可塑性による大脳皮質神経ネットワーク活動変化の研究
Project/Area Number |
15500196
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
窪田 道典 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (30186457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 浩 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80181501)
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Keywords | オプティカルイメージング / 大脳皮質聴覚野 / 時空間パターン / 脳スライス / 電位感受性色素 |
Research Abstract |
大脳皮質聴覚野のスライス標本に、電位感受性色素を用いたオプティカルイメージング法を適用することにより、神経活動の時空間パターンを記録し皮質内の信号伝達様式変化を調べた。麻酔下のラットから脳を取り出し、大脳皮質聴覚野を含むスライス標本を厚さ400μmで前額断に切り出した。これらを蛍光性電位感受性色素であるDi-4-ANEPPSを用いて染色した後、記録を行った。画像取得装置として、90×60のチャネル数を持つCCD型の高速カメラを使用し、1フレームあたり1msで蛍光画像を取り込んだ。 下顆粒層を刺激すると、興奮活動は下顆粒層に拡がると共に上顆粒層に伝播し、さらに上顆粒層に沿って伝播するという応答が見られる。20Hz以上で多発繰り返し刺激を与えると、時間的空間的に興奮活動が次第に増大した。一方、上顆粒層を刺激すると、興奮活動は上顆粒層に沿って拡がるが、下顆粒層への伝播の程度は弱く、下顆粒層に沿った興奮伝播は見られない。多発繰り返し刺激を与えても、上顆粒層での興奮活動は増大したが、下顆粒層での興奮は弱いままであった。さらに、このような刺激を2箇所、上顆粒層および、下顆粒層に時間的に接近した状態で与えた場合も検討した。その結果、刺激間隔が50ms以下(刺激頻度20Hz以上)であれば、興奮の重畳が起こり神経活動が増大した。このことは、同一箇所あるいは異なる箇所においても、50ms以下の刺激間隔であれば、神経活動は時空間的に増大することを示しており、可塑性などのような神経活動様式の変化に十分な興奮が生じることが示された。また、上顆粒層での興奮の増大は、必ずしも下顆粒層の興奮の増大を伴わないことが分かり、上顆粒層と下顆粒層とでは活動様式の変化がそれぞれ独立に行われる可能性を示唆する。
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Research Products
(5 results)