2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞形態態化のシミュレーションシステム構築及びスパインの形態変化とシナプス可塑性
Project/Area Number |
15500201
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Research Institution | KANAZAWA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
市川 一寿 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 教授 (20343626)
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Keywords | 確率論的シミュレーション / 決定論的シミュレーション / 物質局在 / 拡散 / 生化学反応 |
Research Abstract |
モデリング・シミュレーションシステムに関しては、前年度に明らかになった確率論的シミュレーションのためのアルゴリズム構築を行った。このための理論的基盤として、これまで知られていた微視的(分子程度の大きさの)領域に対する拡散衝突反応理論であるSmoluchowski-Debyeの式をとりあげた。しかし、これを基礎にした確率論的シミュレーションのアルゴリズムを構築することが困難であることが判明した。最大の理由はSmoluchowski-Debyeの式では分子が連続的な運動をすることが仮定されている一方、シミュレーションにおいては一定時間同じ座標にとどまった後に時間間隔0で、次の座標にジャンプするランダムウォークの動きをすることが大きな原因である。さらに、Smoluchowski-Debyeの式のように分子が連続的に運動する場合衝突は一瞬であり、この短い時間で反応が進むとは考えにくく、このような考え方を前提とすることに対する原理的問題も生ずると考えられる。一方、これまでの確率論的シミュレーション研究の調査から、部分的には確率論的であるものの、決定論的な部分も含まれたシミュレーションを行っていたことも明らかになった。このようなことから、新たに確率論的反応の理論を構築しなければならないと判断されるに至った。今年度は確率論的シミュレーションのための理論的基礎の部分を構築した。 一方、前年度明らかにした拡散障壁がない場合にも物質局在が生ずる現象のパラメータ依存性について調べた。その結果、2桁の濃度変化、拡散定数の変化、速度定数の変化に対してかなり安定に生ずるシミュレーション上の現象であることが明らかになった。即ち、モデルに含まれるかなり一般的な生化学反応そのものに、局在現象を示す原因が内在されていると考えられることがわかった。
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Research Products
(2 results)