2003 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経細胞におけるK^+チャネル密度と性質を調節する分子機構に関する研究
Project/Area Number |
15500213
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宋 文杰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90216573)
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Keywords | potassium channels / α subunit / dopamine / delayed rectifier / A-type current / cholinergic interneuron / striatum / mRNA |
Research Abstract |
神経細胞の発火パタンはその細胞の持っているイオンチャネルによって決定される。特定の種類のチャネルの機能を決定する因子はそのチャネルの密度、電位依存性、およびキネティックスである。神経細胞は適切に多種類のチャネルのこれらの因子を調節して正常な神経機能を実現している。本研究では、電位依存性K^+チャネルをモデルに、ドーパミン欠損動物とドーパミシを枯渇させた動物を用いて、ドーパミンがコリン作動性細胞K^+電流とK+チャネルα、βサブユニットの発現量に対する影響を明らかにすると共に、その作用機構を探索することを研究目的とした。 平成15年度は主にドーパミン欠損動物を用いた研究を進めた。これまでの結果では、ドーパミン欠損動物でコリン作動性細胞の一過性K+電流が減少することが示唆された。しかし、ドーパミン欠損マウスの数が1リッター中多くて1、2匹で、データの累積にまだ時間が要する。そこで、これと平行にドーパミンを枯渇させた動物を用いた研究を行った。様々な年齢でドーパミンを枯渇させた動物を作成して、コリン作動性介在細胞のK^+電流を枯渇後異なる期間で調べた。現在までのところ、ドーパミンの枯渇による顕著な変化が見られていない。この結果はドーパミン欠損動物での結果と異なる。その原因として、ドーパミン欠損動物では、発生の初期からドーパミンが欠損していることが考えられる。また、発生の各段階でドーパミン受容体の発現が異なり、それによって、K^+電流に対するドーパミンの効果が異なることも考えられる。そこで、現在ドーパミン受容体サブタイプ特異的作用薬を用いた探索を行っている。関連した研究でドーパミンD4受容体の機能について知見(青崎敏彦博士のグループとの共同研究)が得られたので、論文にまとめた(研究発表)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Inagaki Shinji: "Isolation of neural activity from respiratory and heartbeat noises for in vivo optical recordings using independent component analysis"Neurosci Lett. 352. 9-12 (2003)
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[Publications] Hattori Satoko: "Rundown of a transient potassium current is attributable to changes in channel voltage dependence"Synapse. 48. 57-65 (2003)
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[Publications] Hattori Satoko: "Quantitative relatuinship between Kv4.2 mRNA expression and A-type potassium current in rat striatal cholinergic interneurons during postnatal development"J Neurophysiol. 90. 175-183 (2003)
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[Publications] Saitoh Kazuya: "Nigral GABAergic inhibition upon cholinergic neurons in the rat pedunculopontine tegmental nucleus"Eur J Neuroscience. 18. 879-886 (2003)
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[Publications] Shin Ryong-Moon: "Dopamine D4 receptor-induced postsynaptic inhibition of GABAergic currents in mouse globus pallidus neurons"J Neuroscience. 23・37. 11662-11672 (2003)
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[Publications] Otsuka Takeshi: "Conductance-based model of the voltage-dependent generation of a plateau potential in subthalamic neurons"J Neurophysiol. (in press). (2004)