2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図および機能的磁気共鳴画像を用いたヒト視覚性運動認知機構の研究
Project/Area Number |
15500221
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
金桶 吉起 生理学研究所, 統合生理研究系, 助教授 (20280589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 幸二 生理学研究所, 統合生理研究系, 助手 (70262996)
渡辺 昌子 生理学研究所, 統合生理研究系, 助手 (00321612)
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Keywords | 脳磁図 / 機能的磁気共鳴画像 / ヒト / 視覚 / 運動視 / 仮現運動 / 第2次運動 |
Research Abstract |
運動知覚は、明るさ情報に基づく第一次とそれ以外の情報に基づく第2次運動知覚機構があるといわれている。それらは互いに独立した神経機構をもっていると考えられているが、一方その処理過程の早い時期から相互に影響しあっていると考えられている。我々は、ランダムドットの乱雑運動により、第一次と第2次運動を作成し、それぞれの脳磁図反応を比較、検討した。その結果、第2次運動知覚に関わるヒトMTからの反応は非常に遅く、しかしそのごく初期から第1次運動知覚の神経機構と相互に連絡があるという明瞭な事実をつかんだ。(Human Brain Mapping 20,158-167,2003) また同じ刺激を用いて、磁気共鳴画像による脳活動記録を行い、第一次運動と第二次運動との間で活動の分布の違いがあるかを検討した。その結果、ヒトMTの反応は両者ともに見られたが、上側頭回(STS)の活動は第二次運動に特徴的に見られた。この結果は、ヒトでの臨床的知見と一致し、STSにおける運動視知覚の役割を明瞭に示すものである。(Cerebral Cortex, in press) これらの結果は、ランダムドットの乱雑運動というやや特殊な第二次運動を用いて得られた知見である。この刺激は、第二次運動の中でももっとも多くの神経活動を要すると考えられる。今後は、種々の第二次運動刺激を用いて、この結果がすべての第二次運動に共通するものであるかを検討していきたい。
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