2003 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄運動ニューロンサブタイプのdelta-notch系による分化調節機構
Project/Area Number |
15500243
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
本間 俊作 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20261795)
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Keywords | 電気穿孔法 / RCAS |
Research Abstract |
本研究は、神経前駆細胞が運動ニューロンのサブタイプを時系列的に産生する分化調節機構におけるdelta-notch系の分子の役割を明らかにすることを、その目標としている。 上記の遺伝子の役割を調べるためには、RSVプロモーターを持ったRCAS(B)ベクターを用いてニワトリ胚脊髄の神経前駆細胞に電気穿孔法を用いて目的遺伝子の導入を行うことが一番適していることを予備実験で確認して、その条件等を確立した。また、実際の遺伝子発現を確認するために目的遺伝子にmycタグを融合蛋白として発現できるようにRCAS(B)ベクターを改変したものを作製し、本研究ではこれを用いることとした。 notch受容体の細胞内ドメインを強制発現させると、この受容体が活性化された状態を模することができることが知られている。本研究において、notch受容体の細胞内ドメインを神経前駆細胞に発現させると、運動ニューロンを含めて神経細胞の分化が抑制されることが判った。notch遺伝子の強制発現後に、運動ニューロンに特異的なマーカであるIslet-1に対する抗体を用いて同ニューロンの数を定量化すると、GFP(green fluorescent protein)を発現させた対照群と比較して有意に運動ニューロンの産生が抑制されることが判った。notch受容体遺伝子の下流に存在するneurogenic遺伝子(neurogeninn1,and 2,neuro D,and M)の発現様式をnotch遺伝子の強制発現後に調べると、これらの遺伝子の発現が抑制されることも判った。 現在、deltaリガンドを強制発現させた後の運動ニューロンの分化について検討を行っており、併せてnotch受容体遺伝子の下流に存在する遺伝子を強制発現させるためのベクターの作製を行っている。
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