2004 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄運動ニューロンサブタイプのdelta-notch系による分化調節機構
Project/Area Number |
15500243
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
本間 俊作 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20261795)
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Keywords | GFRα / neurogenin 1 / neurogenin 2 / neuroM / bHLH / in situ hybridization / ニワトリ胚 |
Research Abstract |
この研究課題では、脊髄運動ニューロンサブタイプにおけるGDNF神経栄養因子ファミリー受容体の、delta-notch系の分子による発現調節機構の解明を目標とした。 2重in situ hybridizationによる標識で、脊髄運動ニューロンにおける3種類の受容体(GFRα1,2,and 4)の発現様式とdelta-notch系の下流に存在するbHLH転写因子の発現様式を調べると、neuroMという転写因子の発現様式とGFRα1の発現様式が完全に重なり合うことがわかった。neuroM遺伝子をニワトリ胚の脊髄腹側部に強制発現させると、GFRα1の発現が異所性に誘導され(GFRα2 and4の発現様式は不変)ことがわかった。dominant-negative formのneuroM遺伝子を作製して、これを脊髄内に強制発現させると、GFRα1並びにGFRα2の発現様式に変化がない一方で、GFRα4遺伝子の発現が異所性に誘導された。これは、neuroM遺伝子がGFRα1遺伝子の発現をinstructiveに誘導しているのではなく、GFRα4の発現を抑制することでpermissiveにGFRα1の発現を誘導していることを示している。他のbHLH転写因子であるneurogenin(ngn)1と2の発現様式を同様に調べると、それぞれGFRα2とGFRα4の発現様式に一致していた。一方で、ngn1とngn2を強制発現させると、発現パターンとは逆にngn1がGFRα4を、ngn2がGFRα2の異所性の発現を誘導することがわかった。併せて、両者ともneuroM遺伝子の発現を誘導することで、GFRα1の発現を異所性に誘導することもわかった。 以上の結果は、delta-notch系の分子が、脊髄運動ニューロンにおけるGFRα受容体の発現様式を調節していることを示している。
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