2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞におけるカルシウムによるRas活性化機構の解析
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15500253
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 孝也 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(常勤形態) (80284355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 成介 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(常勤形態) (50143508)
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Keywords | Ras / ヌクレオチド交換因子 / カルシウムチャンネル / 神経細胞 |
Research Abstract |
我々が新たに見い出したRasGRF1の機能ドメインの一つと考えられるカルシウム結合モチーフとRas活性化の関係を解析するため、カルシウム結合モチーフを欠失した変異体の細胞発現系を作成し、変異体の細胞内局在の変化、活性化能変化を検討した。カルシウム結合モチーフを欠く変異体はその活性化能が低下するものの、細胞内局在も変化しており、局在に因る活性化能の低下であるか、分子機能としての低下であるかの判断が困難であった。培養細胞の種類を変えた幾つかの実験系に於いて、局在と活性化能を検討したところ、活性化能の変化はカルシウム結合ドメイン欠失よるためだけでなく、細胞内局在の変化による影響も高いことが示唆された。そのためカルシウム刺激に因る細胞内局在の系時変化検討のため、蛍光タグ付き分子を用いて現在解析中である。加えて、カルシウムイオンチャンネル:L型、N型の各チャンネルの解析を行った。(L型)α1c、α2b、β3a(N型)α1b、β1bの構成サブユニットの発現ベクターの作成、COS7、293Tの各培養細胞に於けるサブユニットの発現の確認、さらにこれらの構成サブユニットが機能ユニットとして細胞膜上に再構成されチャンネルとして機能する事を確認するため、脱分極刺激によるチャンネル開閉を行い、CREBのリン酸化を指標としたチャンネル機能を検討した。このCREBリン酸化を指標にしたチャンネル機能の解析中に、米・仏の研究グループより Neuron, Vol,40,775-784,に、NMDAレセプターのNR2BサブユニットとRasGRF1が直接結合するという研究結果が発表されたため、新たに、NMDAレセプターとの関連も視野に入れた研究も開始することとした。NMDAレセプターにより制御させる細胞内カルシウムとRasGRF1/2の活性化の検討に際しては、RasGRF1/2のノックアウトマウスを用いて検討をおこなっている。
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