2003 Fiscal Year Annual Research Report
一次求心性Aβ線維のイオンチャネル発現異常が神経障害性疼痛発生に与える影響
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15500255
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
横山 茂 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00210633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東田 陽博 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30093066)
池田 和夫 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (60231130)
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Keywords | カリウムチャネル / 脊髄後根神経節 |
Research Abstract |
研究経過・結果は以下の通りである。 (1)ラット膜電位依存性カリウムチャネル(Kv1.1とKv1.2)のアミノ末端に対する抗体を作製したところ、Kv1.1あるいはKv1.2の相補DNAを導入したCOS-7細胞で特異的な染色が認められた。いずれの抗体でも、ラット小脳膜分画を用いたウエスタンブロット解析において、約75kDの特異的なバンドが確認された。 (2)ラット腰部脊髄後根神経節と三叉神経節を蛍光抗体法によって染色したところ、Kv1.1あるいはKv1.2陽性の細胞体の50%以上はニューロフィラメント(RT97)にも同時陽性であった。Aδ、C線維優位に存在するとされているIB4(イソレクチン)あるいはペリフェリンと同時陽性の細胞は僅かであった。 (3)脊髄後角では、Kv1.1、Kv1.2の免疫反応性は深部III-IV層で顕著であったが、I、II層の免疫反応性が完全に陰性であるとも断定できなかった。 (4)ヒラメ筋では、Kv1.1およびKv1.2の免疫反応性が螺旋状の構造物に認められ、抗ニューロフィラメント抗体にも反応性を示したことから感覚ニューロンの末梢側受容体であることが示唆された。 (5)前脛部に蛍光標識金コロイドを注入したところ、標識される脊髄後根神経節内の細胞体の一部はKv1.1あるいはKv1.2陽性であった。 (6)坐骨神経を切断後の腰部脊髄後根神経節ニューロンの細胞体でKv1.1およびKv1.2の免疫反応性の低下が認められた。 以上の結果から、Kv1.1、Kv1.2チャネルの主な生理的役割は、筋および皮膚に分布する非侵害性感覚受容ニューロンにおける活動電位の大きさ、頻度、伝播等の調節であると推測された。また、神経損傷後にこれらのチャネルが発現低下するために、痛覚過敏、アロディニアで観察される過剰な膜興奮性を引き起こす可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Macica, C.M. et al.: "Modulation of the Kv3.1b potassium channel isoform adjusts the fidelity of the firing pattern of auditory neurons"J.Neurosci.. 23(4). 1133-1141 (2003)
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[Publications] Hoshi, N. et al.: "AKAP150 signaling complex promotes suppression of the M-current by muscaric agonists"Nature Neurosci.. 6(6). 564-571 (2003)
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[Publications] Higashida, H. et al.: "Subtype-specific coupling with ADP-ribosyl cyclase of metabotropic glutamate receptors in retina, cervical superior ganglion and NG108-15 cells"J.Neurochem.. 85. 1148-1158 (2003)