2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500264
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
森川 吉博 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (60230108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 篤 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (50135232)
仙波 恵美子 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00135691)
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Keywords | オンコスタチンM / 痛覚 / 後根神経節 / ニューロン / TRPV1 / P2X3 / TRPV2 / TrkC |
Research Abstract |
オンコスタチンM(Oncostatin M ; OSM)はインターロイキン-6(IL-6)、IL-11、白血病阻害因子(LIF)、カルジオトロピンー1(CT-1)、毛様体神経節神経栄養因子(CNTF)、オンコスタチンM(Oncostatin M ; OSM)、cardiotrophin-like cytokineなどと同様、IL-6ファミリーのサイトカインとして知られている。これまでに、IL-6、LIF、CT-1、CNTFなどが神経系に対して種々の作用を有することが報告されている。神経系におけるOSMレセプター(OSMR)の発現を検索した結果、胎児期から生後1週目までの舌下神経核、成獣での嗅球アストロサイトや脈絡叢細胞に発現していた。さらに、末梢神経系では、三叉神経節や後根神経節において非常に強いOSMRの発現を認めた。これらの神経節において、OSMRは小型ニューロンに発現しており、多重免疫組織染色により、ほとんどのOSMR陽性小型ニューロンはTrkA陽性ではなく、c-ret陽性の小型ニューロンで、サブスタンスPやCGRPなどのニューロペプチドはもたず、vanilloidレセプターであるTRPV1やATPのリセプターであるP2X3を有していた。さらに、すべてのOSMR陽性ニューロンはTRPV1とP2X3の両者とも陽性であった。OSMノックアウトマウスの神経系の検討から、TRPV1とP2X3の両者が陽性の小型ニューロンがOSMノックアウトマウスにおいて有意に減少しており、それを裏付けるように、カプサイシンやATPによる刺激に対する反応の減弱を認めた。さらに、機械刺激、熱刺激、腹部疼痛による反応も減弱していた。これらのことから、後根神経節侵害受容ニューロンのあるサブセットの発達にOSMが関与していることが示された。また、神経栄養因子のひとつであるNT-3のレセプターTrkCとTRPV2の関係を検討したところ、TRPV2は後根神経節のNT-3依存性ニューロンに発現していることが示された。
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Research Products
(6 results)