2004 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス成熟過程におけるイオンチャネル局在化のメカニズム
Project/Area Number |
15500265
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
中平 健祐 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10260043)
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Keywords | Kv4.2 / 電位依存性K^+チャネル / synapse / localization / mossy fiber / 小脳顆粒細胞 |
Research Abstract |
神経細胞の電気的興奮性を担うイオンチャネルは非常に種類が多く、しかも個々の遺伝子産物の細胞内局在が厳密に制御されている。小脳顆粒細胞において、電位依存性K+チャネルKv4.2は、グルタミン酸による刺激に応答して樹状突起とシナプスに集積する。この局在制御の分子メカニズムを明らかにするため、培養小脳顆粒細胞をもちいてシグナル伝達系路の検討をおこなった。Caイオンの関与については、グルタミン酸、NMDA、AMPAによる局在誘導に細胞外、または細胞内のCa^<2+>が必須であること、ニフェジピンによる影響はみられなかったことから、イオンチャネル型グルタミン酸受容体を経由するCa^<2+>流入が重要と考えられた。NMDAの効果については、CaMKIIの阻害により消失することからNMDA受容体-Caイオン-CaMKII経路であることが明らかとなった。AMPA受容体経路についてはMEK、calcineurin、PI3Kinaseの阻害剤による効果がみられず、これら以外の経路もしくは複数の経路の協同的作用の可能性が考えられたが、さらなる検討が必要である。PKAとPKCはグルタミン酸と同様の局在誘導効果を示したが、それらに対する阻害剤はグルタミン酸の効果を阻害しなかった。また、cycloheximideをもちいた実験から新規タンパク合成の必要性が示唆され、新規合成されたKv4.2が樹状突起に局在する可能性と、局在誘導に際して新規のタンパク発現を必要とする可能性が考えられた。Kv4.2の分子内ドメインの関与を明らかにするためにEGFP融合型Kv4.2を3種作成して遺伝子導入をおこなったが、グルタミン酸による明らかな誘導効果は観察されず、付加したEGFPによる阻害が考えられた。
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