2003 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫抑制MHC領域の同定と抑制性CD8T細胞の機能解析
Project/Area Number |
15500303
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
張 丹青 順天堂大学, 医学部, 助手 (40296877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 周二 順天堂大学, 医学部, 助手 (20286743)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス(SLE) / New Zealandマウス / MHC / Class II / E分子 / congenicマウス / recombinantマウス |
Research Abstract |
自己抗体の産生が病因である全身性エリテマトーデス(SLE)は、組織適合抗原複合体(MHC)の特定のハプロタイプに強く拘束されているが、その機構は明らかでない。我々は、マウスMHCであるH-2のクラスII A領域とE領域のSLE病態に及ぼす影響を解析する目的で、NZBおよびNZWマウスにB10.GD由来のH-2ハプロタイプH-2g2(KdAdEbdEabDb)を導入したNZB.GDおよびNZW.GD congenicマウス系を樹立した。Eab遺伝子には転写活性が欠損しており、これらのマウスではE分子の発現が認められない。これらのマウス系をNZB(H-2d:KdAdEbdEadDd)あるいはNZW.H-2dと交配し、A領域がd/dのホモ接合体でありながら、E分子の発現を完全に欠損した(1)(NZB.GD x NZW.GD)F1マウス、E分子発現を中等度認める(2)(NZB x NZW.GD)F1マウス、E分子の充分な発現を見る(3)(NZB x NZW.H-2d)F1マウスを作製し、SLE病態を解析した。その結果、病態重篤度は(1)>(2)>(3)の順であった。また、(3)の脾臓CD8T細胞を(2)のマウスに移入するとSLE病態が強く抑制された。この抑制性CD8T細胞のTCR□を解析したが、特定のrepertoireは認められなかった。CD8T細胞の機能を考える際、クラスI分子の違いに注目する必要がある。(2)と(3)のマウス間ではクラスIIにおいては、E分子の発現程度の差があるのみであるが、クラスID領域については(2)ではD領域がd/bで、(3)ではd/dであるため、移入CD8T細胞が(2)のマウスのDbに反応して、SLE病態を抑制した可能性が考えられる。実際に(3)のマウスのCD8T細胞を移入された(2)のマウスでは、加齢に伴う脾腫が抑制されており、自己反応性のリンパ球が減少している。この作用がDbへの反応に由来するか否かを確かめるためには、Ea領域とD領域の間にrecombinationを起こしたマウス系が必要であり、現在、その作業を続けている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Matsuoka, H.Tsurui, M.Abe, et al.: "A monoclonal antibody to the α2 domain of murine major histocompatibility complex class I that specifically kills activated lymphocytes and blocks liver damage in the concanavalin A hepatitis model."J.Exp.Med.. 198. 497-503 (2003)
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[Publications] N.Li, K.Nakamura, Y.Jiang, et al.: "Gain-of-function polymorphism in mouse and human Ltk : implications for the pathogenesis of systemic lupus erythematosus."Hum.Mol.Genet.. 13. 171-179 (2004)
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[Publications] X.Wen, D.Zhang, Abe M, et al.: "Transgene-mediated over-expression of interleukin-5 suppresses autoimmune disease, but increases the risk of B cell chronic lymphocytic leukemia."J.Immunol.. (in press). (2004)