2003 Fiscal Year Annual Research Report
磁気的脳機能イメージングにみられるヒト前頭における言語機能
Project/Area Number |
15500307
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹内 文也 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30281835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 恭輔 東京大学, 医学部附属病院, 助手
栗城 眞也 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30002108)
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Keywords | 脳磁界 / 文字 / 音声 / wavelet |
Research Abstract |
今年度は、1,MEG計測手法の改善と予備実験と、2,時間-周波数解析手法の確立、3,言語課題作成のためのfMRI計測を行った。以下では、成果の得られた1と2について述べる。 1,MEG計測手法の改善と予備実験 本研究で使用したNeuromag社製全頭型204チャネルSQUID磁束計では、検出コイルが頭部を覆うが、前頭葉と側頭葉のそれぞれ前部までは覆えない。このことは被験者の頭部形状に依存することであるが、多くの被験者が該当する。 そのための対策として、視覚呈示および聴覚呈示のそれぞれで以下のことを行った。 (1)本研究で用いたMEG装置では、視線を遮らないように、目のそばに検出コイルがないため、頭部の一部が覆えない。そこで、下あごを上げる向きに被験者の頭を回転させ、目の前を装置で覆うことで、下目使いで鏡越しにディスプレイを見せることにはなるが、従来よりも検出コイルが前頭を覆るようになった。 (2)聴覚呈示の言語(音声)の場合には、視線に関わる問題が無いため、本来後頭用の検出コイルで前頭の活動を計測する試みを行った。つまり、被験者は本来とは逆向きに装置に入るのである。この手法による予備実験では、右前頭付近を発生源と推測される信号が計測されている。 2.時間-周波数解析手法の確立 音声による予備実験では、期待していた左前頭の脳活動ではなく、右前頭の脳活動を捉えた。そこで、時間-空間解析だけでなく、時間-周波数-空間解析の手法の確立するために、まず、時間-周波数解析を試みた。本研究では、wavelet解析手法をMEG信号に適用した。解析対象として、δ帯域の徐波を示す被験者から得られた聴覚誘発反応を選び、解析手法の性能を調べた。その結果、刺激に対するδ帯域振幅や位相同期性の増大が明らかとなった。これにより、解析手法の性能の良さを確認できた。
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[Publications] 竹内文也ほか: "側頭葉病変に伴うslow Auditory Evoked Fieldの周波数解析"生体医工学. (印刷中). (2004)
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[Publications] 竹内文也ほか: "全頭型SQUlD磁束計におけるうつぶせ姿勢によるMEG計測"日本生体磁気学会誌. (印刷中). (2004)
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[Publications] F.Takeuchi, S.Kuriki: "Analysis of MEG responses during a visual-word memory task"IBRO World Congress of Neuroscience. 4272-4272 (2003)