2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500308
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 徹 北海道大学, 医学部, 教授 (80261361)
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Keywords | ファンクショナルMRI / 脳機能 / マッピング / 脳血行動態 / 神経活動 |
Research Abstract |
脳機能賦活焦点で亢進している酸素代謝を画像化する方法の開発を目的とし、次の順に研究を進めた。 1.赤血球量変化と酸素代謝変化がMR信号強度に与える影響の定量化 賦活部位の毛細血管ではヘマトクリットが顕著に増加する。そこで、ヘモグロビン量を広く変化させてMR信号変化を調べるため、マンシェットをさまざまな圧力で瞬時に加圧することで下肢を鬱血させ1.5T MRIと近赤外分光測定で測定を行った。その結果、低酸素状態になり血管内のヘモグロビンがデオキシ化し常磁性体となっても、血管外のミオグロビンも常磁性化する場合、血管内外の磁化率の差が減少し、磁場の乱れが緩和される効果を確認した。 2.赤血球量変化を敏感に描出するMRI撮像法の確立 Inversion Recovery法による血漿成分と赤血球成分の分離により、赤血球量変化を敏感に描出できるものと想定していたが、赤血球量が増加すると横緩和時間が変化するためにこの方法は得策でないことがわかった。そこで、血液の横緩和時間の酸素飽和度依存性を調べ、酸素飽和度が約90%のとき横緩和時間が最大となることを明らかにした。この現象は、この酸素飽和度のとき赤血球と血漿の磁化率と等しくなることに起因している。さらに、血液に常磁性体MR造影剤を添加し血漿の磁化率を増加させることで横緩和時間が最大となる血液酸素飽和度が低下することも示し、赤血球とその周囲の磁化率の差に依存する微細な磁場の乱れに起因するMR信号強度変化の全貌を明らかにした。 3.酸素代謝画像開発 毛細血管領域では、低濃度常磁性体MR造影剤を用いることで赤血球の磁化率に依存したMRコントラストが得られるとの自信を深めた。従来のfMRIは静脈血の磁化率変化を用いていたが、それとは異なり毛細血管での赤血球の磁化率が酸素代謝を定量的に反映するとの仮定のもと、ラットを用いたMR撮像実験を進めている。
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Research Products
(4 results)