2006 Fiscal Year Annual Research Report
膜蒸留技術を利用した濾液再生型在宅血液浄化システムの開発
Project/Area Number |
15500326
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Research Institution | TOKYO WOMEN'S MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
峰島 三千男 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50166097)
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Keywords | 医用工学 / 臨床工学 / 膜蒸留 / 血液濾過 / 濾液再生 / 平均温度差 / 総括伝熱面積係数 / 在宅医療 |
Research Abstract |
濾液再生型血液濾過システムを構築する上で、本年度は前年度に引き続き、既製人工肺を用いた純水回収実験行うとともに、イヌを用いたex vivo実験を実施した。どちらも、蒸気透過性の高い気-液系にて実施し、低温流体側を空気とした。 1)膜蒸留実験(流量変化):高温側(液側)および冷却側(ガス側)温度(T_H,T_L)をそれぞれ37℃、10℃と固定化し、高温側RO水流量(Q_H)を0.1-2.0L/min、冷却側ガス流量(Q_L)を4-80L/minに変化させたときの水分透過量(V_E)を求めた。いずれの流量条件においても、水分透過量は時間を追うごとに増大しており、膜透過性能の経時減少はまったく見られなかった。 2)イヌex vivo実験:イヌは全身麻酔下で両側尿管結紮し、腎不全モデルとした。生理食塩液を1L点滴後、ブラッドアクセスを作製して体外循環させ、中空糸外側に流量200mL/minで供給した。一方、中空糸内側には10℃に冷却された空気を流量30L/minとし、向流でシングルパスにて供給した。4時間の実験を行い、1時間ごとの体重変化を重量計、ヘマトクリットモニターにて監視したところ、良好な除水が観察された。 本研究助成期間中、イヌを用いたex vivo系にて、膜蒸留技術による除水が確認され、濾液再生型在宅血液浄化システムへの基盤技術が確立された。今後、置換補充液の組成、専用回路・装置開発等の検討を通じ、システムの確立をめざしていく所存である。
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