2004 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療において生体適合性を高め安定した遠隔期のためのANGIOPOLARITY
Project/Area Number |
15500328
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
合谷 信行 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (40142492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
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Keywords | 足場 / 再生医療 / 人工臓器 / 生体材料 / 血管新生 / 組織再構築 / 遠隔期 / 血管誘導 |
Research Abstract |
現在、再生医療は皮膚、軟骨において盛んに行われており、恩恵を受ける患者は多い。ところが、植え込み時にはうまくいっているにもかかわらず、遠隔期になって次第に萎縮したり、瘢痕、石灰化してしまうことが多く起こることが観察されている。せっかく植え込んだ組織が萎縮し瘢痕化する原因で最も多いのが「代謝がうまくいかない」、すなわちグラフトを栄養している血管が萎縮してしまうせいである。細胞の『配向性』という性質を利用すると細胞を好みの方向に遊走させることが可能である。このことはシャーレで細胞培養を行うときに、シャーレについた傷でこの現象を観察する。この性質を利用し遠隔期にも血管をデザインした方向に伸展、維持することが可能であれば生体適合性を高め、萎縮することをなくすことが可能であると考えた。本研究では血管の新生を"方向性"を持って行う、すなわちangiopolarityを血管にもたせることにより血管の萎縮を防ぐことを計画した。デザインとしてアテロコラーゲンの足場を作成し、それに新生血管が到達したときの血管の方向性を観察した。動物実験は家兎の観察窓rabbit ear chamberをリアルタイムに顕微鏡下に観察した。繊維状の足場を用いたときには血管芽(sprout)は繊維に張り付き、繊維を横断することができた。もぐさ状のコラーゲンでは新生血管は試料を避けて走行した。スポンジ状ではループ状に血管が静脈側から伸展した。現在、観察窓の壁面にプラズマ処理を施し、新生血管の配向性を評価することを計画中である。
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