2003 Fiscal Year Annual Research Report
fMRIおよび脳磁気測定によるバイオフィードバックの脳内過程に関する研究
Project/Area Number |
15500331
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
西村 千秋 東邦大学, 医学部, 教授 (50011193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 力群 東京電機大学, 超電導応用研究所, 講師 (40312037)
寺田 和子 東邦大学, 医学部, 講師 (10217424)
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Keywords | バイオフィードバック / 脳内過程 / fMRI / 意識変容 / 順応 / 記憶 / 自律神経活動 / 脳磁気 |
Research Abstract |
バイオフィードバックは心身相関の,意識上と意識下にまたがる学習過程と考えられる。これに付随する種々の現象のうち,(1)意識変容,(2)順応,(3)記憶と再生,(4)自律神経系の中枢機序,の4つを採り上げて実験を行い,脳活動を測定することとした。3年計画の初年度として,本年度は主として実験システムの確立を目指した。「気づき」として知られる意識変容については立体視画像呈示系を,順応については音楽旋律の呈示系をそれぞれ試作して,強磁場を伴うfMRI実験環境下で繰り返し性能評価を行った結果,満足すべき実験系が構築できた。また,自律神経活動に関する実験には特殊な訓練が必要であるので,それに耐えうる被験者の選別を行った。以上の準備のもとで各課題について脳活動の測定を始めた段階であるが,予備的な結果として,(1)意識変容過程では,両側前頭前野に顕著な活動が見られること,(2)聴覚における順応に関しては,学習初期においては活動領域の増大を伴うが,順応が始まるにつれて減少すること,(3)記憶と再生に関しては,自伝的記憶に特徴的な脳活動様式が見られること,(4)自律神経活動に関しては,皮質下で活動が亢進すること,などが見出された。以上より,今後,各実験におけるパラダイムを精緻化していくことによって,バイオフィードバックに関係する脳活動が,より鮮明に画像としてとらえられるとの展望を得た。なお,初年度はfMRI測定が中心となったが,次年度は時間分解能に優れた脳磁気測定を併用することにより,脳活動の実態を時間・空間の両面から調べていく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Terada K, Nishimura C: "Model analysis of the ion channel disease of muscle"Proceedings of the 30th Anniversary of the Information Criterion. 14-17 (2003)
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[Publications] 保坂良資, 山下和彦, 西村千秋: "5タッチ式情報入力方式の看護情報システムへの応用適性の検討"生体医工学. 41. 498-503 (2003)
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[Publications] 西村千秋: "精神関連学会歴史と最近の動向日本バイオフィードバック学会"最新精神医学. 8. 171-177 (2003)