2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500332
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Research Institution | Nagoya Bunri University |
Principal Investigator |
横田 正恵 名古屋文理大学, 情報文化学部, 助教授 (30269675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 康成 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00262957)
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Keywords | 視知覚充填 / 時間周波数 / 空間周波数 / 知覚パワー / Filling-in時間 |
Research Abstract |
被験者の視野周辺部に動的テキスチャを呈示し,その一部にその周辺とは異なる特性を持つ小領域(filling-in対象)を設けた際に,filling-in対象が消滅して知覚される現象はfilling-inと呼ばれる.この現象を解析し発生機構を解明することにより,視覚神経系における効率的な情報獲得,処理機構を理解できる可能性がある.その観点から,我々はfilling-in発生特性の検討を実施している. Filling-inの発生特性は,従来,filling-inに至るまでの時間(filling-in時間)のみが,filling-inの起こりやすさの特性を測る尺度として用いられてきた.また,filling-in時間計測実験時に,被験者の固視をいかに保つかが重要な問題の1つとされてきた. 本研究では,固視を安定させる目的で,円環形状のfilling-in対象を用いてfilling-in時間を計測した.また同様のfilling-in対象に対して視覚の時空間周波数感度特性を計測する実験を実施した.これら実験結果を,我々が提案しているfilling-in発生過程のモデルに適用した.Filling-in発生過程のモデルでは,filling-inの起こりやすさをfilling-in時間だけでなくfilling-in対象の見えやすさという知覚強度で表現する,その結果,LGN Mチャネルの感度の高い視覚刺激ではfilling-inが促進されるが,LGN Pチャネルの感度が高いときにはfilling-inがむしろ抑制される可能性があることが分かった.このことから,filling-inが視野中心部では起こりづらいことなどが説明できる.
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