2003 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能超音波内視鏡造影による膵微小循環動態の検討―診断および治療への応用―
Project/Area Number |
15500353
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
北野 雅之 近畿大学, 医学部, 講師 (50314571)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 浩 オリンパス株式会社
宮本 清 アロカ株式会社
工藤 正俊 近畿大学, 医学部, 教授 (10298953)
仲谷 達也 近畿大学, 医学部, 講師 (40319661)
宗像 浩 近畿大学, 医学部, 教授 (90111294)
|
Keywords | 超音波造影剤 / 超音波内視鏡検査 / 微小循環 / 膵腫瘍 |
Research Abstract |
当研究は、次世代超音波造影剤対応の超音波内視鏡装置を開発し、膵微小循環動態の観察法を確立すること、更に本法で得られた膵疾患の特徴的血行動態像により膵疾患の診断および治療効果判定に応用することを目的としているが、平成15年度は以下の結果が得られた。1)ビーグル犬を用いて次世代超音波造影剤Definity【○!R】に対応した超音波造影モードの設定を行った。開腹下表在用リニアプローブを直接膵に接触させE-PHDモード(filter法)にて膵の微小循環を観察した。送信周波数は5MHz、受信周波数は7-11MHz、MI値は0.1とすることにより、膵における血流が高感度に検出された。膵と同様に消化管を漿膜側より同モードにて観察したところ、胃および十二指腸において筋層を貫通する血流、粘膜下層を横送する血流、粘膜固有層の漿膜側から管腔側への血流とその反対方向の血流が認められた。2)現在使用されているオリンパス社製超音波内視鏡プローブと同じ形状でより広帯域の小型プローブ(コンベックス型)を作製し、1)と同様の観察を行ったところ、画面上に放射状にノイズは認められるも膵、胃および十二指腸において表在用プローブと同様の微小血流が観察された。3)膵疾患の診断における超音波造影による血行動態評価の有用性を検討するために、膵腫瘍性病変に対してLevovist【○!R】を用いた体表式造影超音波検査を行ったところ2cm以下の小病変の検出率が造影CT検査と比較すると有意に高かった(造影超音波95%;造影CT68%)(Kitano et al. Gut,2004 in press)。体表式超音波検査より空間分解能に優れた超音波内視鏡検査において超音波造影法が確立されれば膵小病変の検出能が更に向上することが期待される。ノイズが除去された造影超音波内視鏡装置が完成すれば、膵疾患における鑑別診断および検出能について体表式造影超音波検査、造影CT検査との比較検討を行っていく予定である。
|
Research Products
(1 results)