2004 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者に対するスティグマ低減プログラムの包括的な評価研究
Project/Area Number |
15500366
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 悟郎 長崎大学, 医学部, 助教授 (00253691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 保之 長崎大学, 医学部, 教授 (50108304)
稲富 宏之 長崎大学, 医学部, 助手 (10295107)
半澤 節子 長崎大学, 医学部, 講師 (50325677)
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Keywords | 精神障害者 / スティグマ / 評価研究 |
Research Abstract |
精神に障害を持つ人々を地域で支えている上での大きな阻害要因として、精神疾患・障害へのスティグマによる社会参加の制約がある。このスティグマは、社会参加を困難にするばかりでなく、発病後の精神科受診を遅らせ症状を悪化させる原因となっているとも考えられる。従って、スティグマを低減することができれば、受診行動も容易になり、その結果医療による治療効果もさらにあがることが期待できる。このような現状を考えると住民の精神障害者観に関連する要因を探り、スティグマ低減の方略を模索する必要性は極めて高い。 そこで本研究は、1)精神疾患・障害に対するスティグマの形成化及びスティグマの低減に関連する要因を明確にする、2)精神疾患・障害に対する正しい知識の普及及びスティグマ軽減を目的にした啓発活動の評価指標となるような尺度を当事者のニーズ調査に基づき開発する、3)開発した尺度を用いて啓発活動のうち最も頻繁に実施されている精神保健福祉に関する講演会の効果を測定する、などを目的に実施した。 その結果、1)精神障害者に対するスティグマの軽減や社会的な受け入れ体制を整備していくためには、正しい知識をあらゆる機会を通じて広めていくことや精神障害者との質の良いふれあい体験を積むことなどが重要であること、2)啓発活動の評価指標となるよう新規に開発した精神疾患・障害の理解尺度の信頼性・妥当性は良好で有用性が認められること、3)約1.5時間の講演会(教育的プログラム)により理解度及び消極的態度、さらに精神科受診行動においても改善する可能性があること、などが示唆された。
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Research Products
(3 results)