2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500377
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Research Institution | Hiroshima Prefectual College of Health Sciences |
Principal Investigator |
本多 留美 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助手 (10290553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿森 淑子 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (00073023)
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Keywords | アルツハイマー病 / 談話 / コミュニケーション評価 |
Research Abstract |
本研究の今年度の目的は、痴呆患者のコミュニケーション評価法として研究者らが考案した、12項目(各項目とも5段階評定による)からなる、「談話評定法試案」をより使いやすいものに改良し、かつ、この評価法の妥当性と信頼性を検討することであった。 まず、重症度によるコミュニケーションの変化を反映する評価法としての妥当性を検討するため、今までの研究で不足していた、中等度から重度のアルツハイマー病(AD)患者の談話を収集した。協力施設において、約15名のAD患者が面接に応じてくださり、録音を行った。これらのデータは現在、音声認識装置などを用いて文書化を進めている最中である。 また、これまでの研究で用いたデータを見直し、AD患者のコミュニケーションの実態をよりよく反映するように「談話評定法試案」(これを「試案A」とする)の改訂を進めた。さらに、「試案A」に含まれる評価の視点を細分化し、それぞれについて「あり」「多少あり」「なし」の3段階の評定による「試案B」を作成した。そして、3年以上の臨床経験を持ち、痴呆患者と接する立場にある言語聴覚士6名に、「試案A」および「試案B」の両方の評価法を用いて、8名のAD患者の談話データを評定してもらった。この評定結果の一致度の分析から、評定項目の改訂をさらに行う予定である。「試案A」と「試案B」の使いやすさについて、6名の評価者にアンケートを実施したところ、総合的に見れば、「試案A」(5段階評定)の方が使いやすいという結果で一致した。 来年度は、重症度との関連から「談話評定法試案」の妥当性を検証すると同時に、「試案A」についてさらに改訂をすすめ、再度、評定者間信頼性を検討し、この評定法を臨床の現場で実際に使用していただく実験に向けて準備を行う。また、痴呆患者のコミュニケーションへの介入技法について情報収集を進める。
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