2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500377
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
本多 留美 県立広島大学, 保健福祉学部, 講師 (10290553)
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Keywords | 談話評定法 / 信頼性 / コミュニケーション介入ツール / 思い出スライドショウ |
Research Abstract |
筆者らが作成した、12項目からなる「談話評定法試案」について、評定法の信頼性を高めるための改訂および使用法マニュアルの充実をはかった、新バージョンについて、評定の信頼性の検討を行った。すなわち、研究者と談話データ収集場面には参与していない第三者の評定者とで評価を行った。 また、昨年度に安田ら(2004)の「思い出写真ビデオ」を参考にパソコンを用いて対象者に合わせた視聴覚刺激を提示する介入プログラムを試作したが、これを実際に使える形のツール「思い出スライドショウ」へと完成させた。このツールでは、写真、ナレーション、字幕、BGMを、対象者個人に合わせて自由に選んで、独自のスライドショウを構成できる。写真と音楽をパソコンにとりこみさえすれば、後はパソコンと応答形式で素人でもスライドショウの制作が可能である。 本ツールは個人にかかわる刺激がコミュニケーションを促進するだろうという仮定のもとに制作したが、その有用性を確認するとともに、個人とは関係のない刺激を使用したスライドショウを用いた場合のコミュニケーションとの比較を行うこと、さらに、パソコンで行うことの利点をみるために、紙ベースの「思い出ノート」を用いた場合のコミュニケーションとの比較を行う必要がある。研究期間を超えるが、これらの実験は実質的には来年度に行う。 本研究で開発を行った評価法やツールの普及をはかり、今後の発展の方向性を得る目的で、臨床現場では認知症患者の評価・介入にどのような方法が用いられているかについてアンケート調査を実施した。調査の集計結果の報告も来年度になろう。
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