2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500378
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
渥美 恵美 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 講師 (20326747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大渕 憲一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70116151)
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Keywords | 作業療法 / 精神障害 / 社会適応 / 評価法 |
Research Abstract |
我々はASPOT(渥美・大渕、2002)を用い、OTで精神障害者が示す適応行動の分析を試みているが、本年度は精神障害者に対するOTの効果と作業活動の違いを検討した。精神科OTを実施している入院患者64名について、7名の作業療法士(OTR)を2名ずつペアにし、同じOT場面での各患者の行動を観察し、患者の適応機能水準をASPOT・O尺度を用いて独立に評定させた。評定は4回実施し、2回目の評定は1回目の評定後1月以内に、3回目の評定はその2月後、4回目は更にその1月以内に実施した。O尺度は5段階(1-5)で高得点が高機能を示す。評定者のペアは1回目と2回目、3回目と4回目を同一とした。この他に調査期間中各患者がOTで行った作業活動の種類も収集した。評定時の作業活動は34種目で、手工芸が多く、スポーツ、音楽、書道、ゲームなどであった。2名のOTRが評定した4回のO尺度の評定について、ADL(基礎的)(発展的)、対人関係(基礎的)(発展的)、精神的機能、身体的機能、問題行動(対人関係)(精神的機能)の8領域で、1回目の評定の平均値と2〜4回目の評定の平均値を比較したところ、以下の4群が見いだされた。1)改善群:、OT実施期間中、概ね適応機能の向上が見られた患者。2)悪化群:全体として、OT実施期間において適応機能が低下した患者。3)不変群:評定値の変化がほとんどなく、適応機能に顕著な変動が見られなかった患者。4)その他:尺度得点の変化が不規則で、特定のパターンがみられなかった患者。症例分析では、例えば、改善群に分類された統合失調症の60代男性患者の場合は、研究期間中のOT活動において比較的活動性の高い複数の作業種目を自主的に選択し、これに参加していた。
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Research Products
(4 results)