2003 Fiscal Year Annual Research Report
対人サービスロボットのための優しい軌道生成に関する検討
Project/Area Number |
15500381
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮本 博幸 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (80138908)
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Keywords | サービスロボット / 介護 / 軌道 / 心理 / 文化的背景 / 動作特徴 |
Research Abstract |
少子高齢化の加速を受け,深刻化する介護者不足の問題に対処するため,ロボットの導入が期待されている.よりよい対人サービスをロボットが行うためには,ロボット使用者とロボットとの円滑なコミュニケーションが重要である. 本研究ではロボット動作でヒトに感情を伝えるというコミュニケーションの実現をめざし,ロボットのどのような運動軌道が望ましいかを調べるとともに,日本人とフランス人という文化的背景が異なる2つのグループを対象に実験を行った.実験対象は3つの感情(平静,親しみ,怒り)に対応する他人への物の差し出し動作とした.3次元運動解析装置を用い,ヒトの上肢運動の特徴抽出を行ったところ,得られた特徴をよりよく表すには,物の運動軌跡を計測すればよいことを明らかにし,各感情に付随する運動の特徴を抽出した.動作計測実験から日本人とフランス人では,動作の終端速度など感情に付随する動作特徴は共通であるが,親しみの表出動作傾向には大きな違いがあることを明らかにした.日本人では多くの場合,物を高く上げる,山型の動作軌道によって親しみを表現するが,フランス人では比較的平坦な動作軌道を用いる. また,人間動作に対する主観評価実験では,2グループ間に共通して,怒りの印象は動作全体の速度および終端速度と関係がある一方,親しみ印象と物を持ち上げる高さとの関係は文化的差異により違いがあることを示した.さらに,日本人の動作特徴を反映したロボット動作の主観評価実験を行い,2者の位置関係の違いは動作印象に影響すること,また,ロボット動作にヒトのもつ動作特徴を盛り込むことで,感情が伝わりやすくなることを明らかにし,本研究で得られた動作特徴をロボット動作の生成時に反映することの有効性を示した. 以上の結果をもとに,今後は対人サービスロボットが優しい感情を抱かせる軌道を検討していく.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hiroyuki Miyamoto, Hiroko Hayashi, Stephane Aubry, Dominique Lenne, Indira Thouveenin, Pierre Morizet-Mahoudeaux: "Comparative Study on Emotional Motions of a Person by a Cultural Background"Proc.of Work With Computer Systems. (to be published). (2004)