2004 Fiscal Year Annual Research Report
早期社会復帰を妨げる心筋梗塞患者の運動療法への適応障害を改善するための工夫
Project/Area Number |
15500383
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
増田 卓 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30165716)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 篤彦 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (00286387)
小倉 彩 北里大学, 医療衛生学部, 助手 (10337991)
|
Keywords | Cardiac rehabilitation / Exercise capacity / Autonomic nervous system / Muscle stregth / Acute myocardial infaction / Activities of dialy living / Depression |
Research Abstract |
多疾患を有する心疾患患者の増加と共に、心臓リハビリテーション(心リハ)では個々の合併症に対応したリハ処方が求められている。【目的】合併症に応じた心リハ処方指針を構築するため、合併症の種類と患者背景因子を対比し、合併症を有する心疾患患者に心リハを施行すう際の留意点について検討した。【対象】平成12年5月から平成16年4,月の間に北里大学病院に入院し心リハ処方された987例(男728例、女259例、、年齢65±11歳)。【方法】入院時の合併症と心リハの進行状況(100m・300m歩行開始病日、入院日数)を調査し、退院時と入院から6ヶ月後の2時点で下肢筋力、SF-36によるQOL、HADSによる抑うつ状態(DP)を評価して各指標を比較した。【結果】合併症は、高血圧症60%、高脂血症53%、糖尿病(DM)39%、DP20%、肥満18%、整形外科疾患17%、中枢神経疾患(CVD)14%、維持透析の慢性腎不全(HD)5%であり、2合併症を有する割合は28%、3合併症以上を有する割合は28%であった。DMは3枝病変の割合が高く心リハ進行が遅延したが(P<0.01)、心リハの継続は低下したQOL得点を有意に増加した(P<0.05)。DPに対する心リハの継続はHADS得点を有意に低下した(P<0.05)。麻痺を有するCVDとHDでは入院日数が長いが(P<0.05)、心リハの継続によって筋力の有意な増加を認めた(P<0.05)。【結論】心リハ患者は複数の合併症を有する割合が高く、個々の合併症によって心リハ進行に差がみられた。心リハ継続は患者の身体的・精神的満足度を高めDPの改善効果が期待されるが、より効果的なリハ運用方法の検討が必要と思われた。
|
Research Products
(4 results)