2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500386
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長谷 公隆 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80198704)
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Keywords | 立位姿勢制御 / 随意運動 / 動作分析 / 神経遮断 / 運動学習 |
Research Abstract |
右大腿部での阻血による神経遮断が立位姿勢制御におよぼす影響を詳細に検討するために、立位姿勢で随意運動を必要としない長時間立位保持課題について、健常成人9名を対象に検討した。20分以上の立位保持では、足圧中心や下肢関節角度、筋活動に有意な変化は同定されなかったが、右大腿部以下の脱神経によって、右ヒラメ筋の筋活動は減少し、それに伴って右足圧中心の後方変位と、左前脛骨筋および右中殿筋の筋活動の増大が認められた。さらに、足圧中心動揺の解析から、片側下肢の体性感覚入力低下によって、内的代償機構をもってしても前後方向における姿勢の安定性を管理することは困難となることが確認された。したがって臨床においても、前後方向の安定を確保するために、補装具などによる外的代償を必要とすることが示唆された。これらの結果は、研究協力者のImaiがArchives of Physical Medicine & Rehabilitationに投稿し、掲載を受理された。次に、前年度に実施した着座やしゃがみ込み時の下方への運動制御ではなく、爪先立ち動作について、右下肢神経遮断による姿勢制御の変化を検討した。その結果、脱神経後においては、着座動作とは逆に、足圧中心の後方変位による立位姿勢が動作の反復による運動学習として即座に構築され、爪先立ちの際の足圧中心の移動距離が足長の約10%減少することを見出した。これらの機能的適応は、左下肢を中心に行われることが観察されたことより、姿勢を変化させる必要がある場合には、運動の支点となる足部からの感覚情報が必須であり、単なる立位姿勢保持のための課題とは異なる姿勢制御法が適応されることが確認された。
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Research Products
(1 results)