2003 Fiscal Year Annual Research Report
暑熱トレーニング効果の個人差に及ぼす地域環境要因の影響
Project/Area Number |
15500428
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本田 靖 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (20165616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西保 岳 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (90237751)
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Keywords | 暑熱順化 / 深部体温 / トレーニング / 運動 |
Research Abstract |
地球温暖化の進む今日、特に夏期スポーツ時の熱中症等への安全対策を含めて、暑熱環境に対する順化のメカニズムや速やかに順化する方法開発への期待が高まっている。暑熱環境に対応できる能力を暑熱耐性とすると、1)暑熱下での運動トレーニングによって向上すること、2)この能力には個人差が大きいこと、はわかっているが、それらの生ずるメカニズムは明らかではない。そこで本研究では、大学生の暑熱時の体温調節特性ならびに、短期暑熱トレーニングに対するトレーニング効果を測定し、その暑熱反応に対する出身地域及びその生活環境との関連を考察することを目的とした。本年度は、暑熱耐性の特徴をまず把握するために、以下の実験を行った。 13人の大学生、院生を被験者として、深部体温測定のための食道温プローブを装着後、環境温25度の筑波大学人工気象室に入り、皮膚温度を調節できるようにウオーターパフージョンスーツを着て、1)15度の水を流して皮膚温を下げる、2)35度の水を流して体温を上げる、3)42度の水を流して体温を上げる、の3条件で、最大酸素摂取量の50%で自転車運動を60分行い、換気量、体温、皮膚血流量、心拍数、血圧の変化を測定した。深部体温は、1)の条件下では、運動15分よりプラトーとなったが、2)、3)の条件下で著しく増加した。2)、3)時には、深部体温の上昇と換気量の上昇の間には直線関係が見られた。さらに、換気量の増大と運動に対する疲労度との間にも密接な関係が見られた。したがって、運動時の暑熱耐性と換気量増加反応とに密接な関係があることが示唆された。運動時の暑熱耐性に関して、換気量変化に着目した研究は先行研究においてもほとんど見られないことから、暑熱耐性の生理的メカニズムに関する新たな知見であると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Honda Y, Ono M, Nitta H: "Low level carbon monoxide and mortality of persons aged 65 or older in Tokyo, Japan"J Health Sci. 49. 454-458 (2003)
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[Publications] Ichinose M, Saito M, Kitano A, Hayashi K, Kondo N, Nishiyasu T: "Modulation of arterial baroreflex dynamic response during mild orthostatic stress in humans"J.Physiol. (印刷中). (2004)
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[Publications] Ichinose M, Saito M, Wada H, Kitano A, Kondo N, Nishiyasu T: "Modulation of arterial baroreflex control of musclesympathetic nerve activity by muscle metaboreflex in humans"Am J Physiol Heart Circ. 286. H701-H707 (2004)
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[Publications] 本田 靖 他: "第7章 健康への影響,地球温暖化と日本 自然人への影響予測"古今書院(原沢秀夫, 西田秀三 編著). 30 (2003)