2003 Fiscal Year Annual Research Report
生体の筋調節による適応状態を考慮したシューズの機能的性能評価法の検討
Project/Area Number |
15500433
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 剛生 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (90181833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇治橋 貞幸 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80016675)
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Keywords | シューズ / 跳躍運動 / 動作解析 / 運動学 / 動力学 / 筋電位 / 関節スティフネス / 動作適応 |
Research Abstract |
本研究では,シューズの機能的性能(衝撃吸収性,安定性等)を評価するために,シューズの機械的特性だけでなく,生体系の筋調節による適応状態を考慮した評価法を提案することを目的としている。平成15年度においては,一定のリズム及び全力での連続跳躍とドロップジャンプの跳躍運動中に,シューズを着用して運動する場合(シューズ条件)と着用しないで運動する場合(裸足条件)の生体に及ぼす影響を検討するため,動作解析及び生体情報の計測を行い,運動学的要素(跳躍高,関節角度変化),動力学的要素(関節モーメント,関節パワー,関節仕事量,関節スティフネス),生体情報(筋電位)の観点から分析を行った。その際,跳躍運動の接地中において,着地の衝撃を受け止める動作のネガティブフェーズと次の跳躍のために力を発揮する動作のポジティブフェーズに位相を分けて分析した。 シューズ着用に対する生体の反応が顕著に現れた動作は,一定リズムの連続跳躍運動で,シューズ条件を裸足条件と比較した場合,ネガティブフェーズでの足関節仕事量とネガティブ・ポジティブの両フェーズの足関節スティフネスが有意に低値を示した。このことから,裸足条件ではシューズ条件よりも踵部分への衝撃を防ぐために足関節スティフネスを増加させるような生体の動作適応が起きていることを考察した。最大努力で実施するような運動では,跳躍のため全力運動によって生体の動作適応の変化が現れにくい結果であった。 また,生体の動作適応を定量的に評価する指標として,関節スティフネスという関節角度変化量とモーメント変化量の両方を考慮した指標が有効であることが示された。しかし,生体情報である筋電位においては,対象とした動作が非常に短時間の力発揮動作であったため,電気機械的信号の遅延現象による位相ずれの問題やスパイク波形の影響などによって,筋電位による生体適応の特徴を表現することが困難な結果であった。
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Research Products
(1 results)