2003 Fiscal Year Annual Research Report
運動部外部指導者にみるスポーツ・キャリアと指導信条の特異性
Project/Area Number |
15500434
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
海老原 修 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (50185138)
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Keywords | 外部指導者 / スポーツ・キャリア / 指導信条 / 競技歴 / 指導歴 / スポーツ・ボランティア |
Research Abstract |
平成16年1月〜平成16年2月にかけてアンケート調査「運動部外部指導者に関する調査」を、栃木県、富山県、山形県各県教育委員会、ならびに山形県鶴岡市教育委員会の協力を得て、学校運動部外部指導者合計612名に配布し334名より回答を得た(有効回答率54.6%)。調査票は、学校運動部顧問教師を対象とした先行研究【平成11年度〜14年度科学研究費補助金「競技歴と指導歴からみる指導信条のアンビバレンスが運動部顧問離れに及ぼす影響」(基盤研究(c)(2)、課題番号11680018)】の調査票を基礎に、山形県鶴岡市外部指導者や関係部署担当者とのインタヴューやアドヴァイスに基づき作成した。昨今、学校運動部は、顧問教師の指導専門性、高齢化、転勤などによって存続が危ぶまれ、その対応に総合的地域スポーツクラブに代表される地域スポーツとの連携を模索せざるを得ない状況にある。この場合、一方では学校運動部顧問教師の外部指導者にたいする態度が、他方では外部指導者の顧問教師にたいするそれが、一致するか否かは重要な問題となる。外部指導者の51.2%が「管理・運営を顧問教師が、指導を外部指導者が行なう」、42.8%が「管理・運営・指導を顧問教師が主で、外部指導者は補佐役」が大半を占め、あらゆる機能を外部指導者、もしくは顧問教師が単独で執り行う見解は5%未満であった。このことは、外部指導者が顧問教師単独で運動部を運営することには限界があると判断していることを意味し、顧問教師の4割ができれば単独で運動部を管理・運営・指導するべきであると考える点で、見解の相違をうかがいしることとなった。
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[Publications] 海老原 修: "地域スポーツ活動を支える財源論"体育の科学. 53(9). 644-650 (2003)
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[Publications] 海老原 修: "スポーツ・ボランティアの成立要件"体育の科学. 53(9). 676-680 (2003)
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[Publications] 海老原 修: "スポーツと道徳の狭間にて(その1)"トレーニング・ジャーナル. 290. 65-68 (2003)
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[Publications] 海老原 修: "スポーツと道徳の狭間にて(その2)"トレーニング・ジャーナル. 291. 70-73 (2004)