2005 Fiscal Year Annual Research Report
自治体におけるスポーツ参加潜在層への普及啓発キャンペーンに関する実証的研究
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15500442
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長ヶ原 誠 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (00227349)
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Keywords | キャンペーン / 自治体 / スポーツ参加潜在層 |
Research Abstract |
本年度研究の目的は,自治体キャンペーンの実施によってどのような行動と行動条件(意識的要因)が変化したのかを縦断的調査により実証的に分析することであった。本研究で用いた縦断的調査では,住民基本台帳から無作為抽出により抽出されたK市在住の一般成人男女7,473名を対象に第1回目の調査を行い(2002年,有効回答標本数2,465,回収率33.0%),それらの中で同意の得られた1,207名を対象に第2回目の調査用紙を配布,回答の得られた524ケース(2004年,回収率43.4%)をサンプルとした. 2002調査において「これから新しく始めてみたい運動・スポーツ種目は何かありますか」という質問に対し「ある」と回答した人を抽出し,2004調査で「過去3年の間に新しく始めた運動・スポーツは何かありますか」という質問に対して,「ある」と回答した人を(1)実現群,「ない」と答えた人を(2)非実現群とした.2002調査時点で「これから新しく始めてみたい運動・スポーツは何かありますか」という質問に「ある」と回答した189人(全体524ケース中36.1%)のうち,約4割にあたる39.7%(n=75)が,2002調査時点から2004調査までの約3年の間に実際に運動・スポーツの開始を実現し((1)実現群),60.7%(n=114)の人は実現できなかった((2)非実現群). 行動条件となる意識的要因の影響度をみると,「対人・環境認知(知覚)」「判断(既にある知識)」「学習(知識の習得)」「感覚」の4つの認知的要因と,「実施・試行」「習慣」「享受」の3つの行動的要因の充足が,運動・スポーツの開始実現を促進することが明らかになり,また「対人・環境認知(知覚)」という認知的要因と,「実施・試行」「習慣」の2つの行動的要因が,頻度増加の実現を促進することが明らかになった.
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