2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500455
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
石指 宏通 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50260807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 吉博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80118033)
松本 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (60316081)
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Keywords | vWF / Ul-vWFM / vWF-CPase / 運動負荷 |
Research Abstract |
von Willebrand因子(vWF)は、血中に放出されると凝固VIII因子と非共有結合にて結ばれVIII/vWF複合体として存在し、共に運動負荷により各々の活性、抗原量は増加することが報告されている。しかし、その生理学的意義並びに安静期のレベルに復帰する恒常性機構(ホメオスターシス)については明らかではない。とりわけ、vWFの量的増加と、生物学的比活性がより高い、超高分子量vWFマルチマー(Ultra Large:UL-vWFM)の増加は生体を「向」血栓性に傾かせると考えられるが、運動負荷時にはこれを防止するため、その調節機構が働くことが想定される。vWF特異的切断酵素(vWF-cleaving protease:vWF-CPase)はvWFMサイズを調節し、「抗」血栓性に働くことから、この機構で重要な働きをする候補と考えられる。今回、我々は男子大学生10名を対象に、自転車エルゴメータを用いた65%VO2maxの60分間運動(高強度)と40%VO2maxの60分間運動(低強度)を日を変えて実施し、負荷前、負荷直後から経時的に12時間後まで血液を採取した。この血漿を用いて血小板数、vWF抗原量(vWF:Ag)、リストセチンコファクター(RCof)の定量、vWFMの解析、およびvWF-CPase活性の測定を行った。その結果、高強度群において、負荷直後よりvWF:AgとRcofは著増し、UL-vWFMの出現も認められた。このUL-vWFMは運動6時間後まで検出され、12時間後には消失した。低強度群ではかかるvWFの変化は認められなかった。一方、vWF-CPase活性はvWFの動態とは異なり、運動負荷前後には酵素活性の変化は認められなかったが、2時間後以降に減少が認められた。すなわち、高強度運動負荷によるUL-vWFMの増加は血圧上昇に伴う外傷時の過剰出血に対する防御策の一つと考えられるが、これは血漿中のvWF-CPaseにより分解され、同時に同酵素活性の消耗性低下がひき続くものと理解された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Matsumoto M, et al.: "Molecular characterization of ADAMTS13 gene mutations Japanese patients with Upshaw-Schulman syndrome"Blood. 103. 1305-1310 (2004)
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[Publications] Matsumoto M, et al.: "The Japanese experience with TTP/HUS."Seminars in Hematology. 41. 68-74 (2004)
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[Publications] Kokame K, et al.: "VWF73, a region from D1596 to R1668 of von Willebrand factor, provides a minimal substrate for ADAMTS-13."Blood. 103. 607-612 (2004)
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[Publications] Soejima K, et al.: "ADAMTS-13 cysteine-rich/spacer domains are functionally essential for von Willebrand factor cleavage."Blood. 102. 3232-3237 (2003)
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[Publications] Nakazawa Y, et al.: "von Willebrand factor-cleaving protease activity in thrombotic microangiopathy after living donor liver transplantation."Liver Transplantation. 9. 1328-1333 (2003)
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[Publications] Sugimoto M, et al.: "Mural thrombus generation in type 2A and 2B von Willebrand disease under high shear conditions."Blood. 101. 915-920 (2003)