2003 Fiscal Year Annual Research Report
体操競技の平行棒における後方車輪系技群実施時の関節トルクとパワー
Project/Area Number |
15500463
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土屋 純 早稲田大学, スポーツ科学部, 助教授 (60236908)
|
Keywords | 体操競技 / 平行棒 / 関節トルク / 関節トルクパワー / 力学的仕事 / 速度 / 角運動量 |
Research Abstract |
1.平行棒における「後方車輪」実施時に関節で発揮されるトルクとパワーの動態を、鉄棒における「後方車輪」実施時のそれらと比較し、平行棒における後方車輪の運動技術を明らかにすることを試みた。被験者は6名の熟練大学体操選手であった。後らが実施した平行棒と鉄棒における後方車輪をビデオ撮影し、後らの身体計測点の2次元座標から、膝、肩、股関節の関節角度、名関節で発揮されたトルク、トルクパワー、名関節でなされた仕事を算出し、比較した。その結果、平行棒における後方車輪の実施時には、鉄棒における後方車輪の実施時に比べ、倒立からの振り下ろし局面で股関節の屈曲、懸垂に至る局面で股関節の伸展、懸垂以降の上昇局面でより早い時点から長期間にわたる股関節の屈曲と肩関節伸展のための筋力発揮がより必要であることが示唆された。 2.「後方車輪からかかえこみ2回宙返り腕支持」の実施時に関節で発揮されるトルクとパワーの動態を明らかにして、それが宙返りの離手時の角運動量と速度に与える影響を検討した。被験者は競技会に出場した38名の熟練体操選手であった。従属変数として離手時の身体重心の鉛直速度と身体重心まわりの角運動量を、説明変数として2回宙返りに至る後方車輪実施時の股関節トルクのピーク値、肩関節トルクのピーク値、股関節トルクパワーのピーク値、肩関節トルクパワーのピーク値、後方車輪で身体重心が指先の鉛直真下を通過した以降に股関節でなされた正の力学的仕事、肩関節でなされた正の力学的仕事を算出した。その結果、離手時の角運動量と、肩関節トルクパワーのピーク値、肩関節でなされた正の力学的仕事との間に正の相関関係が見られ、これらを大きくすることが宙返りの回転速度を高めることが示唆された。
|